Nobuyuki Sugihara

砂場の山の隧道の指

  • experience (12)
  • news (60)
  • exhibition (31)
  • word (47)
  • essay (4)
  • film (4)
  • review (30)
  • journey (59)
  • photograph (6)
  • performance (10)
  • architecture (2)
  • book (2)
  • workshop (13)
  • review&journey (1)
  • memo (2)
  • livepaint (0)
  • 最近の記事

    最近のコメント

    最近のトラックバック

        -------- スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

        2013-02-25 うたかた

    旅を衣として、

    風に舞ったひとひらを掴んで、

    その瞬間(とき)を抱きしめる

    あけておけ
    あけておけ

    光が風を抱きしめるような
    渦(ウツ)の森の天寵

    翳した手で結ばれた
    今という結び目石


    さすらう
    風が耳を鳴らす、
    風がやすんでいる、
    風が囁いているような、
    地の声、
    梢の声、
    風は呼びかけられた宇宙の波の声


    森につつまれる言葉の風、

    照る葉の風の涼やかに流す、

    足もとの流れ水、

    うたう花の芽、

    昇る太古の鯨のねむり、

    花を塞いで、

    あぁ、その坂には照葉樹林の眼のひかり、

    風がやすんでいる、





        2013-01-15 あらたみ


    一日に2時間だけの旅をしている、
    そのささやかな旅は、
    つつましやかに積みあげられた石垣の坂道を歩く
    おばあさんの歩速から見た景色のように
    湿り気をもった生活の帯へと届いていく、
    水の音の歩き神だ

    たとえば、

    森の小声を聴く、
    その声は無限の波をうたっている小鳥の小声である
    (こんなに幾つもの声音でうたっていたなんて、)
    それは恒星の傾きにそって並んだ、
    葉影の姿の宇宙である、

    それを旅は知っていた、

    森がアトリエだったら、
    命はもうすでにそこにあり、
    うたいかけている

    道端に小さな社があって、
    家には屋敷神があって、
    おばあさんが、みかんや餅を供えて、
    大切にしている場、カミの家、
    それは宗教なんて大仰な言葉ではなく、
    生活や身体と不可分な敬虔さや畏れや祈りの為に空けておいた空地、
    の時空の豊かさ、

    アートではなくて、
    そういうものを受け渡す、
    結んでいくこと

    ひら(崖)に立つ、
    又古木の合間に立つ石の空路(うつろ)に
    翳した榊を抜ける風明りに苔むした石の吐息、
    鳥の散らした小声は、
    場を描くという、
    旅山伏のはこびによって起こされる
    地面の裏には石がある。
    都市の裏にも石がある。

    川の流れが道をつくるように、
    まちもその道の力に流されて姿を変えていく、
    道の奔流からとり残されて、
    時の流れの川すじに残された砂洲のような場所がある、
    そこは、湛え水のような時の記憶の流れる場所、
    それは、原初の一滴から受け継がれる命からの祈りのような、
    まちには無意識の水脈が流れる

    森に描く、
    それはうたいかけられた、
    木洩れ日の零れるような小鳥の囀りと交通する、
    開かれた処のことではないか、
    小鳥の囀りの為に描かれた、
    小鳥という音楽との交信、
    囀りに触れる身体の跡という画、
    たしかに耳は渦を巻いた通路だ

    石蟹(いしが)の星の空け地、
    森のうつほの螺旋木の根元には、
    塒石が二穂、三穂、
    ここは降り地





        2012-11-06 森の色床

    雨が降った
    森は耀く色で濡れ落ち葉を満たし
    雨が霞をあかくそめる夕ぐれ
    「かみのむなぞこにおりた」
    そんな木の子の騒々しいほどの喜びにゐます










        2012-09-27 湖水田

    水口(みなくち)にしらけ餅(古代米)
    田に入る毎に
    白毛の長い稲穂の鳴らす
    実りの祝音
    祝いの戸
    籾のうつ心の古舞

    たわわと実った稲束を担ぐ男の背に揺れる稲穂の音と
    夕色に滲んでいく風景の鳴らす予祝

    ここは
    無限の空に色染められる
    世界公開堂
    屋根一つない空のまわりで
    光がおった
    風の小折
    雪が踏んだ空だから
    こんなに透きとおった夢をしている
    陽は呼吸して
    だまった口で
    天を弛む



    水口(みなくち)は冷たさにつよいしらけ餅を植えたそうだ
    しらけ餅は丈長く、注連縄に適する種





    湖水田は、
    光のおりてくる
    アンテナのような
    山の窪間

    湖という器物に満たされた水の膜間と
    陸地との、
    ああ、ここも間(あわい)の地であったか、

    胎児の上陸する泥の光の血

    心の予祝の呼び出しの籾の音によって











        2012-09-07 ものといのちが手を握りあう

    ものにもいのちがつながる。

    ものといのちがてを握りあう。

    そのようにしてものにいのちが宿る世界で。

    わたしは息をするのも
    水の中にいるように
    精一杯にしている
    時間よ

    ただ
    ナメクジの歩いた軌跡が描く絵画のように

    生の軌跡を

    あなたへと届けようと

    わたしはものといのちの間

    そのように生存は書きかえられた
    生きるということの根っこはどこまでも切れない

    わたしは狂気を赦す生の奔流で
    生がゆっくりと呼吸するのを見た




     | HOME | 

    FC2Ad

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。