Nobuyuki Sugihara

砂場の山の隧道の指

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        2010-02-07 「野焼き参り、はきだめから赤子とすみつかれ」アートコラボラボ9

    朝4時半起床
    真壁へむかう

    列車のなかで
    朝が明けていく

    薄雪のつもった
    景色のなか
    駅から自転車で

    朝靄に
    筑波山が
    うつくしい
    エロスに濡れた
    姿を浮かべる

    8時半
    授産施設に着き
    野焼きの準備

    施設のグループホームで働く方の家から
    野焼きに使う
    廃棄する杉の屋根材を
    もらいに行く
    すると
    わざわざ
    焚きつけ用の
    枝葉を軽トラ一杯にもらってきてくれたので
    そのまま車で運んでもらう

    ブロック塀で囲われた
    施設のごみ焼き場の中に入って
    野焼きを始める
    まず紙や段ボールと板材、枝葉に火をつける
    すると乾いた枝葉が燃え上がり
    すぐに火がついた

    薄雪が残っていたので
    しばらく火を焚いて
    湿気を飛ばしてから
    コンクリブロックを置いて
    ごみ焼き場の端に小さな炉を作り
    ブロックの上に乾いた粘土を置いて
    両面を炙ってから、火の中にくべる

    投入したテラコッタ粘土の一つが
    すぐに破裂してしまった
    野焼き用粘土でないので
    炙りがたらず
    急激に温度が上がりすぎたのだろう

    その他順調に焼き進める
    自分のつくった粘土を火の中に投入して
    だいたい感じがつかめたので
    広瀬君のつくった粘土を炙り始める

    その隙に、広瀬君の部屋に行って
    野焼きしてるから気が向いたら
    おいでと声をかける

    午前中だからか、
    めずらしく、毛布を被らず
    部屋で座っていた

    スタッフの人に朝尋ねたところ
    広瀬君に野焼きやるか声をかけてみたら
    うんと頷いていたと言っていたので
    興味を持ったのかもしれない

    しばらくごみ焼き場のブロックの囲いの中に入って
    火を焚いていると
    広瀬君がやってくる

    ごみ捨て場の中に入って
    熱い、熱い言いながら
    木をくべている姿がおもしろいらしく
    笑いながら
    廃材をくべるのを手伝ってくれる

    廃材は長いので、半分に折って入れてと言うが、
    最初のうちは半分にしていたが、
    途中から、折らずに
    投入してくるので、
    「コラ広瀬君、折らなきゃダーメダロ」
    というが、笑いながらどんどん投入してくる

    ごみ焼き場の中覗いてみる?
    と尋ねるが、いいと言う
    こわい?と聞くと
    うんと頷く

    そのうち、焚火に粘土が入るスペースがなくなってきたので
    最初にいれた粘土を取り出してみる
    するといい色に焼きあがっている
    その色の艶やかさというか
    赤裸の色が
    産まれたての赤子のように
    なまなましい色で
    思わず、広瀬君
    すごいきれいな色だよ見てごらん
    と言うと、広瀬君はそーっと覗いて見ていた

    取り出したての粘土は
    周りの木の葉が引火するほど熱い
    その鮮やかな色も
    熱が冷めるにしたがって薄れて
    落ち着いた色になっていく

    その後、他の乾いた粘土を取りに二階に行くと広瀬君もついてきて
    粘土やる?と聞くと頷くので、用意してから
    野焼きをつづけに戻ると、
    広瀬君も着いてきた
    粘土を下に取って来て置いておくが、

    やっぱり、
    木をくべるほうが楽しいらしく
    あらかた廃材をごみ捨て場の中に投入し終わると

    今度は
    焚きつけ用の枝葉をでっかいまま
    突っ込んでくる
    これはでかすぎだって
    火事になるって
    と言って
    千切って調節して投入する

    焼き終わった粘土をとり出しては
    新しく火にくべる
    その作業中はやることがないので
    いつのまにか広瀬君はいなくなっていた

    そして12時頃までに
    予定していた野焼きが全部おわり
    いくつかは破裂してしまったが、
    うまく焼けた

    あとは
    ゆっくりと冷めるのを待って完成

    1時のワークショップまでに
    廃材を頂いた家にお邪魔して、
    頼まれていた
    御先祖の遺影を描く仕事を
    渡しに行って
    昼ごはんを頂く

    その時
    すみつかれ
    という名物料理をいただく
    大根をすりおろしたものに
    油揚げと豆と酒粕をいれたもので

    初午の日に赤飯とともに食べるらしく
    赤飯も一緒に頂いたのだが、

    とてもおいしかった
    すみつかれは
    この地の
    この家にとても似合っている味というか
    この場所の芯を味わっているような味で

    毎度のことだが
    ぜんぶの田舎料理がとっても美味しく
    力をもらっている
    育てている菜の花に似た野菜の炒め物に
    松前漬もおいしい

    焚きつけの木と言い
    ありがたいことだ

    描いた御先祖の絵を
    とっても喜んでくれて
    おじいさんとおばあさんが
    二人して別の親戚に電話して
    よく出来たから見においでと言っている

    こうやって真壁の人に助けられて
    喜んでもらえるというのは
    とてもうれしい出会いだ
    お礼を言ってワークショップに向かう

    今日はワークショップ参加者は少ない
    机を囲んでみんなで絵を描き、粘土をつくる
    担当のスタッフの方が用事で席をはずしていたので
    なかなか広瀬君のところに行けず、

    3時近くになってようやく
    広瀬君の部屋を訪ねる
    広瀬君は毛布を被らず
    座って部屋にいた

    さすがに朝からの野焼きに疲れて
    どうにも声を出す気にならず、
    しゃべりながら普通に粘土をつくっていく

    すると広瀬君はにやけながら布団を敷いて
    横になってしまった

    今日は色々粘土に模様をつける道具を持ってきたので
    実践してみるが、広瀬君は動かない

    今日は疲れた、もう声は出せないよ
    と思いながら、作っていくと
    いつのまにか自然に声が出ていて

    疲れ切った体からは
    そのままよい声がでてきたらしく

    広瀬君は起き上がって
    手招きして
    交流ホームの多目的室に向かう
    そこでくるくるまわってから
    ごそごそと絵具を探すが見つからない

    絵具は部屋に置いてあるのだ

    これ使ってもいいよと
    色鉛筆など渡すが
    そのうちに
    帰っていってしまう

    この時、手伝うべきではなかったのだ
    普通に楽しく声をだして粘土作っていればよかったのだ
    この手伝う立場に変わってしまったことによって

    呼び出された場が変わってしまったのだ
    そのまま自分でやらせればよかったのだ
    その結果なにかが生まれたか、生まれなかったかは
    わからないが、それでよいと思った

    その後も部屋に戻って
    声を出しながら粘土を作るが
    広瀬君は布団に入ったままで
    少しだけ持ってきた道具で粘土に
    模様をつけただけだった

    今日の体験を経て思ったのは

    広瀬君はいたずら好きで
    やりたくないことは
    やらないだけだと思っていた

    作業にも出ず、部屋に閉じこもりがちになっているのは
    このコラボワークに原因があると思っていたが、

    もしかしたら、広瀬君は
    興味をもったことしかやらないのではなく

    コラボワークでつくってほしいという
    僕や園の人たちの期待を感じていて
    それに応えたいという気持ちはあっても

    ほんとうにやりたいことしかできないから、
    体がうごかないから、
    それがプレッシャーになっているのかもしれない

    そういう人なのかもしれないと思った

    もしそうだとしたら
    広瀬君、もう十分できているからいいよ
    映像にしろ、粘土にしろ、絵にしろ
    おもしろいものができているよ
    という気持ちと、

    広瀬君がおもしろがって作れる場所を
    もっと見つけられたらいいなと
    思った

    野焼きのおわった粘土たちは
    とてもうつくしい色で
    まさに
    はきだめから産まれた赤子のようで








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