Nobuyuki Sugihara

砂場の山の隧道の指

  • experience (12)
  • news (60)
  • exhibition (31)
  • word (47)
  • essay (4)
  • film (4)
  • review (30)
  • journey (59)
  • photograph (6)
  • performance (10)
  • architecture (2)
  • book (2)
  • workshop (13)
  • review&journey (1)
  • memo (2)
  • livepaint (0)
  • 最近の記事

    最近のコメント

    最近のトラックバック

        -------- スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

        2008-11-28 三渓園、横浜トリエンナーレ、内藤礼「母型」

    海側には煙突から煙がもうもうと立ちのぼる工場地帯が広がる
    根岸駅から歩いて30分くらいの三渓園へ
    唐突に切り立った崖と森
    海を近くに感じさせるような風景が立ちあがり、
    池には中国風の東屋が浮かぶ

    三渓園は横浜の少し先にあるとは思えないほど、
    すばらしいところだった、金沢の兼六園や岡山の後楽園とまでは
    いかなくても、ほとんどそれらにいるような気にさせられる場所だった
    ただ、大池をつつむ紅葉の美しい風景に唐突にそそり立つ
    白い工場の煙突が、風景を切り裂いているだけだ

    苔むす道と、紅葉の古木と古民家
    細竹のびっくりするほどの背丈のトンネル

    展望台からは美しかったであろう海景が、
    煙突だらけの工業地帯に塗りかえられていた

    とりあえずトリエンナーレの作品を見る
    梅の木と小川と滝に立ちこめる霧の作品
    中谷芙二子の「雨月物語」
    溝口健二の映画の一シーンが現実に広がっているような
    木々と人と霧
    ものすごい量の霧が発生している
    小川の飛び石の上で、
    ちょうど霧に差し込む日差しの光線がうつくしい

    滝のところにフラッシュがあるが、
    それはあまり効果的ではなく、
    ただ霧の作り出す風景がうつくしい

    すぐそばに、
    横笛庵
    内藤礼「母型」
    これを見に来た

    茅葺きの小屋に入り土間から
    薄ぐらい茶室を眺めると、
    仄白い糸が一本垂れて
    畳の上に置かれた二つの電熱器に温められて
    揺らめいている

    向かいの戸も開いていて
    光が差し、糸がきらめく
    向かい側からも人が覗くので、
    日が翳り、空間が変わる

    そして
    その人の動きがおそらく微風をおこし、
    すこし遅れてから、
    煌めく糸がこの世のものとは思えないような
    うつくしい動きで揺らめく
    糸の下のほうは、輪っかになっていて
    その輪っかの動きが生命のゆらぎ
    精霊の瞬きのような複雑な動きをうみだす

    それは涙がでるほどうつくしい光景だった

    それは茶室という場に作られうる
    もっとも完璧な存在の在り方に感じられた

    精霊をよびおこした糸

    単に電熱器で温められた動きということではなく、
    人の動き、吐息、吹き込む風、うつりゆく光、
    それらすべてがまばゆいばかりに
    一本の糸の動きに凝縮され、茶室という空間に満ち溢れている
    そして、輪っかの動きという
    メビウスの輪を思わせるような光のすがた
    この深い生命と森羅万象の精霊と呼ばれて来たものを
    かたちとして呼びおこすこと

    この奇跡のような在り方に呆然とする

    時折、雨月物語の霧が茶室にも流れこみ
    光の糸とともに靄の潮流が風のすがたをあらわす

    どうしてこういうことができるのか

    都会の暮らしにまいっていて
    気枯れ(ケガレ)とハレについて思いを巡らし、緑を求めていた
    その時に三渓園とともに出会った「母型」

    今まで見た内藤さんの作品のなかでも
    一番すごい作品と思います

    今週の日曜日までだが、
    できるかぎり多くの人にみてほしい
    「母型」の鑑賞時間は4時15分まで

    ただ、他の作品を見てから、終了間際にもう一度見にいったのだが、
    そのときは、日が沈み、光の煌めきが失われていた
    この作品は出会いの偶然を求められる
    すべての物事、世界がそうであるように

    その日も天気予報では天気が悪そうだったので、
    行くかどうか躊躇していたが、友人が偶然余ったチケットを持っていたり
    三渓園に着く頃には日差しが出て来たり、
    導かれるように辿りつくことができた



    他の作品は、煤で黒ずんだ重厚な合掌造りの住居で
    男女がエロティックなパフォーマンスを行う作品
    20分間お堂の中で見ることを拘束される光の作品などがあった

    三渓園を散策
    銀杏の大木が敷きつめた黄色い絨毯
    豊かな森ではキノコでも採れるかと思っていたが、
    日が暮れてしまって、閉演時間の5時に近くなったので、
    歩いて山手駅へ
    山手駅周辺の町並みは高低差がはげしく
    路地がいつのまにか川底のようになって
    行き止まっていたり不思議な場所だった











    スポンサーサイト

    コメント

    コメントの投稿

    管理者にだけ表示を許可  

    トラックバック

    http://sugihara.blog27.fc2.com/tb.php/145-7af68d4c

     | HOME | 

    FC2Ad

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。