Nobuyuki Sugihara

砂場の山の隧道の指

  • experience (12)
  • news (60)
  • exhibition (31)
  • word (47)
  • essay (4)
  • film (4)
  • review (30)
  • journey (59)
  • photograph (6)
  • performance (10)
  • architecture (2)
  • book (2)
  • workshop (13)
  • review&journey (1)
  • memo (2)
  • livepaint (0)
  • 最近の記事

    最近のコメント

    最近のトラックバック

        -------- スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

        2010-04-24 「Globe(球体) show」 と「探検写真展」と田植え体験

    長野県大町市の8Link studioという
    大町在住の作家が運営するアートスペースで
    1メートルの球体をテーマにしたグループ展に参加します。

    またアートディレクターをしている
    西丸震哉記念館においても
    「西丸震哉の探検写真展」が行われます。
    正式には5月10日までとなっていますが、
    5月中は見ることができると思います。

    5月2日、3日、4日と
    5月8日、9日、10日の御柱祭もある
    この機会に長野に来たい方は
    西丸震哉記念館研修施設に
    宿泊できるので、ご連絡ください。

    また5月20日から月末にかけて
    友人の無農薬お米農家の
    年に一度の田植え、手植えの体験ができます。
    毎日お米を食べる日本人なら一度は田植えをしてみることは
    とても大切なことと思います。
    http://akayaney.blog100.fc2.com/
    そして5月は山菜のてんぷらがうまい季節です。





    Globe(球体)Show 2010

    5月1日(土)~5月30日(日)(土日祝日のみオープン)
    open 11:00~18:00
    5月1日(土)19:00~ オープニングパーティー

    ジャンルの違う8人の作家によるグループ展です。
    1メートルの球体という規定の中、
    それぞれの作家がどんな表現をするのか?
    これは実験的な真剣勝負です。

    小峰聖貴(美容師)
    小島亜創(陶芸家)
    杉原信幸(美術作家)
    本間久人(鉄作家)
    山形淑華(詩人)
    山上晃葉(美術作家)
    山上渡 (美術家)
    TAKASHI (絵師)

    8 Link Studio
    〒398-0003 大町市社3773-1
    080-5690-1396(山上)
    大町駅より市民バス「ふれあい号」で資料館入口下車すぐ





    「西丸震哉の探検写真展」

    「冒険は一か八かの命がけ。探検は、怪我をせず死なずに戻ってくるのが理想です。
    わざわざ誰も行かない過酷な場所に行くのは、自分の知りたいことを調べるためで、
    危険を冒すためではありません。」と西丸震哉さんは言います。
     パプア.ニューギニア、南極など世界各地の秘境探検を行った西丸震哉さんが
    出会った世界を、写真をもとに紹介します。

    会 期  2010年5月1日(土)~5月10日(月)(会期中無休)
    入場料   無料
    開館時間 10時~16時30分(事前連絡で延長可)

    〒398−0001 
    長野県大町市平10901
    TEL.0261-22-1436
    http://nishimarukan.com/

    untitled.gif









    スポンサーサイト

        2010-04-22 ノカンゾウと焼きもの

    しばらくぶりに
    ゆっくり長野で生活しながら制作

    東京暮らしは息がつまってくるが、
    長野は残雪の山がうつくしく
    湖がうつくしく
    空気がひらかれているようだ

    そしてフキノトウのてんぷらに
    野蒜、アサツキ、
    そしてノカンゾウと山菜が豊富にとれるので
    最早、ネギやニラは買う必要がないし、

    ノカンゾウの若芽を茹でて酢みそかマヨネーズで食べると
    くせのないほのかな甘みの後味がとてもうまい

    去年も少しとって食べたが、
    今年散歩しながらノカンゾウを探すと
    いくらでもそこら中に生えている
    大量に採ってきて冷凍しておく

    ウワバミソウと合わせれば、
    一年分の葉野菜は確保できるかもしれない


    そして焼きもの
    日常つかうお皿など焼いてみたが、
    月白、油滴天目、そば釉、古瀬戸と
    土色の粘土と野焼き粘土、グレー土もつかってみたが

    とてもおもしろいものが焼けた
    一気に食卓が華やかになり、
    食事の盛りつけが楽しみになり、
    人を招きたい気分になってくる

    古瀬戸とおそらくグレー土の小皿など、
    非常に土が扱いづらく、へたってしまって形がうまく作れなかったのだが、
    濃い古瀬戸が融け溜まって、非常に美しい模様と形態をつくりだし
    びっくりしてしまった

    どんどん作って、
    まず身の回りの物
    それからお客さんのお皿も全部違うものをつくって、
    山菜や茸料理で、
    もてなせるようになりたい

    命を頂くと言う行為の中にある神秘が
    手を通して繋がる場である器

    日常とよばれる場所が最も深い世界とつながっていること
















        2010-04-22 御柱祭下社、木落とし、萬治亭

    津軽の舞踏家、雪雄子さんが御柱祭を見に来がてら、
    長野に遊びに来ると言うので、
    残った18切符で日帰り、御柱祭へ
    翌日仕事があったので、

    始発で、下諏訪へ
    稲尾始発より、阿佐ヶ谷始発のほうが、下諏訪に早く着くという不思議

    下諏訪に着くと、活気ある改札をでて
    雪さんと、年末の津軽以来の再会

    諏訪大社下社秋宮へ行き
    酒屋で、ワンカップの日本酒、神渡(みわたり)を
    買って

    諏訪大社下社春宮へ寄ってから、
    木落とし坂へ

    御柱へと向かう人たちの行列について歩く

    途中鹿肉の唐揚げ300円が売っており
    安いので買って食べると
    振る舞い酒ももらう

    意外とうまい
    これなら鹿をとって食べる価値はある


    木落とし坂に近づくと、
    すごい人
    もう無料観覧席は満員で
    有料席しかない

    誘導の警官に聞いても、
    そこらへんで適当に見るしかないから
    道に立ち止まらないでと言われる

    木落とし坂の脇の斜面に登り
    座って待っている人の隙間の急斜面に
    腰を下ろす、
    徐々に荷物と体がずり落ちてくる

    木落としまで2時間以上あったので、
    御柱を見に行くことにする

    巻き道の坂を登って
    木落とし坂の上に出る
    上から見るとなかなかの斜面

    この付近はもうすぐ通行止めになりますと言う
    警官に聞くと
    御柱が来る前に通りぬけないと
    通れなくなってしまうらしい

    急いで御柱へ
    沿道に酒席を設けて待つ人
    はっぴを着た人たちの先に

    威勢のよい行列が来る

    御柱はまだ見えない
    さらに先へと進むが
    なかなか御柱に辿りつかない
    そしてやっと高い声の
    木遣り(きやり)が聞こえてくる

    御柱の上に乗った人が舵取りのように動き
    御柱の周りをたくさんの人たちが棒を漕ぐように動かしながらつづく
    そのさまは陸をゆく舟そのもの
    行列の人の流れは河のようだ
    この祭りのうねるエネルギーのすばらしさ

    Image792.jpg

    一旦御柱は止まり、再び気合いを入れ引くが
    なかなか動かない、脇の棒を動かす人も
    行列の先の方を引きあるく人たちも実際引く力にはなっていない
    御柱の前と後ろの屈強な男たちが
    渾身の力で引っ張っているのだ

    きやりが響き渡り
    御柱が動きだす

    通行止めになってしまうので、
    急いで木落とし坂まで戻り、
    坂を下る
    途中有料の近道の階段もあるが、
    巻いて下る

    すると木落とし坂の真下の道路がすでに
    通行止めだと言う

    向こう側に場所をとって荷物も置いてあるのだけど、
    と警官に言うが、有料席の切符を持った人以外
    もう通れませんという

    しかし通れない理由がないので
    無視して通り抜ける
    するとあっさり通り抜けられる

    席に戻り待つが、
    木々の合間で
    遠くからしか見えない

    木落としの時間になり
    ラッパを吹いたり、
    きやりが響いたりするが
    なかなか落ちない

    とはいえ、命がけの祭りなのだから、
    時間どおりにはいくわけがない

    そしてだいぶ斜面に堪えながら見るのに
    疲労してきた頃に

    そろそろ行くか、と思っていたら
    御柱はすべりおちる
    人もながれおちる

    一瞬の解放
    予想していた進路と違うルートだったが、
    落ちる瞬間は見れた

    それからしばらくして
    混乱する中、担架で運ばれていく人がいた
    やはり落ち方がうまくいかないと事故も起こるのだろう

    めっきりと疲れ、
    二本目はもういいということになり、
    来た道を戻る

    以前見た上社のメデドコつきの御柱とはだいぶ印象がちがうが、

    木落とし坂手前で盛り上がる
    人の河と御柱舟の漕ぎ手達の一体となる動きは
    非常におもしろかった
    木落としはもっと良い位置で見てみたいが


    春宮そばの
    万治の石仏を見てから
    温泉に入ろうと
    春宮参道を歩いていると

    雪さんが鹿のはく製のある家に呼び止められ、
    休んでいくことにする

    古民家の中に入ると、囲炉裏があり
    主の萬治さんとそのお友達がコタツでお酒を振舞ってくれる

    外の看板にもかいてあるが、
    ごちそうはないけど
    お金も一切いりません休んでいってください

    御柱祭について本も書いている
    萬治さんに御柱や縄文の話を聞く

    そのうち萬治さんはコタツに入ったまま
    とおりすがりの人にむかって
    「おい!入れ!」と声をかける

    その声に呼ばれて入ってくる人たちは
    とてもにおもしろい人で
    見知らぬ人同士がコタツや囲炉裏を囲んでお酒を酌み交わす
    これが古来日本にあった祭りの姿なのだろう
    それを生かし続けていく萬治亭という場所のすばらしさ

    その上、泊まっていってもよいという
    昨日も6人くらい泊まっていったと言う

    御柱祭りを見に来て通行止めにあって
    どうしても御柱祭りが見たいがために
    山越えをして、遭難してしまい
    地元の方に助けられた諏訪さんという方が
    萬治さんに呼び止められ、
    泊まっていくことになり、
    お礼につまみを沢山買ってきてくれて
    囲炉裏で語り明かす

    明日は仕事なので、帰らないとならないはずだったが、
    その場があまりに楽しいので、結局泊まって
    始発で帰ることにする

    諏訪さんと温泉に行ってから寝る

    木落とし最終日の朝の活気に包まれる下諏訪の朝
    始発で東京へ向かう
    後ろ髪ひかれつつ、
    すばらしい出会いに感謝

    雪さんと連れは結局次の日も
    御柱祭に参加し、木落としも非常に良い位置で見れたようだ

    雪さんは萬治さんの酒をかっくらって人を招く姿に
    土方さんの姿を見ていたようだった

    里曳き、柱立ての5月8日、9日、10日も
    また来いという萬治さんと萬治亭に
    ぜひとも訪れたい

    一緒に行きたい人は長野の方に遊びにきてください
    友達も連れてきていいと萬治さんは言ってたので











        2010-04-21 花の窟、古座、一枚岩と丸石

    石山寺から古座へ、

    と言っても、
    もう柘植、多気で乗り換えて、熊野市駅で終電
    すると花の窟(いわや)神社のある駅だったので
    花の窟へ向かう

    途中獅子岩は暗くて見えず、

    花の窟神社に着く

    明りがついているので
    入っていくと、沖縄の御嶽と同じ形式の石垣の門をくぐって

    巨岩の石壁に白い丸石の敷きつめられた空間
    夜空の奇岩の姿が浮かぶ

    近くにコンビニがあり、
    お湯をもらって浜辺で、火を焚く
    流木を探すが、乾いた海藻と竹しかないので、
    石を組んで海藻と竹で火を焚き
    お湯を沸かし餅と味噌で夕食

    湿気ってなかなかつかず
    時間がかかっってしまったが
    トイレの隣でテント泊

    海藻を焼いた臭いが臭く
    コートに染みつく

    朝再び
    花の窟神社へ

    社のない
    巨岩が御神体の神社
    手水の隣に
    苔むした大丸石
    水をかけて、

    顔を洗ってから
    花の窟へ

    照葉樹林の
    照る葉の耀く
    木洩れの揺れ陽の空間

    それでも、夜のほうが雰囲気がよかったが、
    巨岩のてっぺんから縄が掛けられていて
    年二回の祭りでは海に向かってそれを引く

    縄にはアイヌのハチマキのような形の縄が何本かぶら下がっている
    神社前で初野蒜を採る

    獅子岩を眺め、
    駅前で名物、さんま寿司とめはり寿司を買う
    めはり寿司は高菜で巻いたおにぎり、
    さんまは酢でしめてある

    電車内で食べる

    新宮駅で乗り継ぎ時間があったので
    観光案内所に行く

    ここは神倉神社のゴトビキ岩と
    源頼朝が寄進した神さびた石段と
    浮島などすばらしい場所があるが、
    今回は時間がないので再訪できず、

    先を急ぐ
    古座駅に着き

    観光案内所で
    古座街道のマップなど情報を集め、
    スーパーで巻き寿司など食料を買う

    まず古座神社に向かって歩く
    鄙びた港町の路地

    途中、善照寺というお寺
    本堂の中の孔雀の襖絵がすばらしい
    和尚さんがおらず、誰が描いた絵か
    わからなかったが、
    本物が寺にあるというのはすばらしい

    古座神社向かいに
    古い佇まいのお菓子屋さん
    和菓子、洋菓子あるが
    ケーキがうまそうなので
    チーズケーキ220円を買って
    神社で昼食後に食べる

    ベークドチーズケーキの上に
    薄い甘い透明なやつが
    のっている

    昔、家の近くの小さなケーキ屋で売っていた懐かしい味
    これはなかなか売っていない
    調べてみるとアプリコットジャムに
    ブランデーをまぜたもののようだ

    とってもおいしいケーキだった

    駅方面に戻る途中、無人販売所ではっさくが8、9個入って100円だったので
    買って食べるが、苦い、
    果物はうれしい栄養だ

    神戸神社
    巨樹のうつくしい空間

    稲荷神社を通り過ぎたので
    荷物を置いて戻る
    山の上まで登って神社を見る

    とにかく
    古座街道の潤野というところと
    一枚岩に向かうこと
    それと丸石を見ること

    『丸石神』という本を吉増剛造さんに託され
    それをパラパラと見ているときに

    コザ、コザ、という言葉響いていて
    沖縄の嘉手納基地の町コザのことかと思って読んでみたら

    熊野の古座にも丸石があって
    その写真が本の中に載っていたのだ

    それからずいぶんと時間がたってしまったが、
    司馬遼太郎の古座街道ともつながり

    春に古座へという
    このタイミングしかないということでやってきたのだ

    一枚岩は知らなかったのだが
    連れが『オシリス、石ノ神』という吉増さんの詩集で
    「古座上流、赤壁へと入っていった」というようなフレーズを
    諳んじていて、観光協会の人に聞いて、
    一枚岩だろうと目星をつけた

    分かれ道に神社
    古座川沿いの道を歩く
    トンネルを避けて
    古い道へ

    崖縁に鳥居があり
    小島に向かっている

    地図には河内神社の河内様(コオッタマ)と書いてある
    国道側から下っていくと
    川を渡って島にいけそうだが
    水着が必要なのと、
    上陸しても登れなそうなので
    あきらめて進む

    一輪ざしの竹が立っている
    遥拝所のようなものがあって
    おばあさんが掃除をしているところで

    車が一台とまっていて
    おじいさんがちょっと先の喫茶店まで行くから
    乗せていってくれるというので
    掃除のおばあさんが気になりながら
    乗せてもらう

    頼んでもいないのに
    車が止まってくれる場所というのは
    奄美がそうだったが、
    ほんとうに親切なところだ

    少しここは、奄美の加計呂麻島に渡る港町
    古仁屋に似ているのかもしれない

    喫茶店でお礼を行って歩きだす
    穴ぼこだらけの牡丹岩を越えて

    潤野へ
    豊かな田園の広がる風景
    集落を抜ける辺りに
    丸石が仏塔になっている
    苔むした時の堪り場、
    思わずスケッチをする

    潤野をぬけて
    みんなの店という直売所で
    紀州の梅干しを買う

    だいぶ疲れたので、
    塩分補給と活力に梅干しが必要だった

    道を逸れて滝を見る
    日が傾きだしたので、
    急いで

    一枚岩を目指す
    直線距離の近いトンネルを二つくぐって
    しばらく行くと山一つ巨岩という一枚岩が
    連なっている絶景

    暮れゆく
    巨岩の岩肌、

    地球が孕んだ磐の座

    道の駅はちょうど閉まっていたが
    トイレもある

    薪を集め、火を焚こうとすると
    アルミ鍋がない
    連れに聞くとどうも落としたらしい

    夕食が食えないので
    まいったが、とにかく
    石を焼いてその上に餅を置いて焼いてみる

    石焼き餅は意外と
    うまかった
    摘んでおいた野蒜と
    さつま揚げを食べる

    星が出ていたので
    テントを屋根の無い場所に張ってしまったが、
    これが失敗だった

    夜、雨が降り出し、
    朝方激しくなった、
    きちんとフライシートを張っていなかったので、
    インナーテントに水が伝わり
    水浸しになってしまった

    傘をさして
    荷物をまとめて
    トイレに移動
    水の溜まったテントの水をすて
    トイレ内にテントを干す

    雨にぬれた一枚岩の巨岩壁に
    滝のように水の川が降りる

    雨が小降りになってきたので、
    丸石のある矢倉神社を目指す
    ただ丸石のある場所をメモった紙を失くして
    記憶が頼りだったのだが、

    軽身になって
    通り過ぎたトンネルを戻り
    途中の巻き道に下っていく

    小川を越えた曲がり角で
    軽トラのおじさんにどこ行くんだと声をかけられ
    矢倉神社の地図を見せる

    イノシシ猟でよく行っているが
    そんな神社はない
    峰の薬師寺しかないと言う

    でも地図に載ってるのだからと、
    歩きつづけ
    登りの巻き道を
    蛇行しながら
    かなり登る

    地図を見ると車道ではなく登山道に面して矢倉神社はあるようだ
    脇道に入ってみるが、石垣の組まれた人家跡はあるが、
    道がわからないので、引き返し

    とりあえず、峰の薬師に行って聞いてみることにする
    道の行きどまりがお寺だ

    お寺に着き、中にはいるが
    小さなお堂が一つ
    中は行者がお参りに来る
    生活感のある空間

    隣の家も戸が開いていて
    人の気配はない
    公民館の小さな家のよう
    向かいにトイレがあって
    大きな谷間に家と畑が広がっている

    とにかく人に聞かないと神社の場所がわからないので
    家のほうに行ってみる

    山水が流れつづけ、
    池には鯉、
    木材の加工場、
    ビワの木、
    木々のトンネルをくぐると
    山水が流れつづける流し台があり、
    ミカンがたくさん置いてある
    玄関に行くと犬が出てきて吠えたてる

    すいませんーと声をかけるが、留守のようだ

    そのまま段々畑の谷間を巻いて下っていくと
    小川が真ん中を流れ降りていて
    道は下へと続く

    犬の吠え声が谷間に響く

    石垣の別の家に着くが、
    閉め切られていて空家のようだった
    牛や鶏、蛙の声
    そのまま道を下っていくと
    ネットで閉め切られていたので、
    ネットを空けて中に入ると
    石垣の家
    呼び鈴の鈴を鳴らして
    声をかけると
    玄関にパジャマ姿のおばさんと犬が出てきて
    矢倉神社を探しているのですが
    と尋ねると、
    お寺の隣の家のすぐ裏だという
    石段を登って行けば着くと言うので、

    最初の家へ戻る
    家の敷地内以外に道がないので、
    湧水の流れる洗面台の脇の石段を上って
    家の裏に登っていくと
    ミカンの樹がたくさん植わっている

    斜面に巨木がたくさん生えていて
    小さな社が見えてくる
    巨樹の合間に石垣と磐座
    巨石の前に榊が立てられている

    この家の裏の斜面に立てられた
    巨樹の磐座の
    その有りさま

    山の根、
    巨樹、巨石に寄り添うように
    石垣を並べて築いていった
    その空間のつくり、
    受継いでいく時間と

    そのものを築くことの
    祈りの
    帯紐のような
    プライベートな
    ひそやかな在り方に
    こういうことだよな、と
    大切に心に残していく
    石を一つ置くようにして

    そしてこの谷間に奔る清水を抱くようにした
    緑の地、
    舞い舞い津を
    歩む身体は
    木々と石のトンネルをくぐって

    「ここは“王国”だ」と

    夢のすがたを視ていた
    ここには緑の夢が生えている

    ここは丸石のある矢倉神社ではなかったが、
    それ以上のなにかと出会っていた

    奔って巻き道をくだって
    一枚岩の道の駅へ戻る

    戻ると、トイレ掃除の人がテントを外へ移動して
    移動しましたという張り紙が貼ってあった

    掃除の方にすいませんと言って
    テントを持って道の駅へ

    ご飯とジャガイモのお好み焼き風味という不思議なものを食べて
    丸石のある滝の拝と真砂(まさご)のどちらへ向かうか迷いながら、
    滝の拝は潤野の辺りまで戻って明神橋からバスに乗って行かないとならない
    明神橋まで戻るのに、バスの時間が間に合いそうもなかったので、

    歩いて行ける真砂へ向かう
    滝の拝はとても惹かれる地名なので、
    また来なければならない、なにかがある場所

    一枚岩を別の角度から見て
    あらためてそのうつくしい巨体の岩肌の
    膨らみに見惚れて、こちらへ来てよかった

    古座川を遡る
    天柱岩を通って、
    蔵土の神社で大きな丸石あり、
    曲がり角の社にも丸石あり、

    丸石の圏内に入ってきた
    つり橋の向こうに鉱山跡
    おじさんに尋ねると、もう坑道はコンクリートで塞いだとのこと
    コンクリ跡を見て、上流へ

    川を少し離れて急な登り道、
    登りきると、集落、白蛇権現の看板があり
    作業をしているおじさんに尋ねると、
    5分くらいで着くと言うので、行ってみる

    車道から草の道、階段で川岸まで降りて
    鳥居の先の
    岩の裂目に注連縄が張られ
    かぼそい美しい白滝が清水を湛えている
    滝自体が神体の聖域
    苔むした水のカミの湛え処

    ただ一本の帰りのバスの時間が迫っていたので、
    急いで戻る、
    おじさんは丸太をくりぬいてつくる「ゴーラ」という
    ミツバチの巣箱を作っていた

    古座ではそこかしこに社のように見える
    丸太が置いてあって、ミツバチの巣箱だなと思っていたが、
    作っているところを見れるとは

    真砂へ

    碧の深い水流をたたえる
    川幅の狭い山間の集落に着き、

    一軒目から屋敷神の鳥居、家の人に頼んで見せてもらうと
    鳥居の両脇に大丸石
    社の裏には丸石だらけの空間
    四つ丸石を積みかさねたもの
    大黒の足元に黒い丸石
    とうとうやって来た

    鳥居の両脇の大丸石の膨らみの
    風雨に彩られた神さびた白と黒の量感

    さらに先へと進むと
    バス停、時計があり
    帰りのバスの時間まで、5、6分しかない
    集落の端にもう一つのバス停
    ここで時間切れ
    石段を上ってみると鳥居があり
    駆け寄ると、足元に大丸石
    石段が山の上へと誘うように
    木々のトンネル
    しかし、これに行ったら、バスに間に合わない


    戻ってバスを待つ、
    このバスを逃すと
    日に二便の終バスの次は
    明日の何時になるかわからないので、
    東京の仕事に間に合わない
    しかし、バスは来ない
    数分がたち、神社まで行けたなと
    後悔の念が浮かび始めたところで、
    バスが来る

    バスの時計を見ると
    4、5分遅れていたのだ
    これはしかたがない

    この真砂の丸石神の足元へと辿りつき、
    その始まりの戸口に立って
    もどっていく

    バスが、今歩いてきた道をすごい速さで戻っていく
    途中違う道も通り、驚くのような石の神社もあったが、

    この古座川のみちは
    一枚岩の岩戸口から古座の鄙びた港町の空間まで
    目まぐるしく変化していく歩調の幅の深さに
    こころ打たれていたのだ

    山梨の丸石神への歩行は
    塩山あたりから歩きだし、
    弧をえがいて巻いていく
    山の底から山の世界へと入っていく歩行
    丸石を崖縁から空へと捧ぐさま


    古座は海へと河がひらかれた
    こころの風の戸口もひらいて
    風の底から

    港町、漁村の舟のにぎわいの世界から
    分かれ道に立って
    古座川を遡り
    蛇行しながら、
    山の世へ
    登っていく

    一枚岩、
    「磐の子の…」

    磐の母体の横たわった
    地殻の門戸のはらから
    岩戸の腹籠り
    丸石神の宮へと
    入っていった

    山のこころの塔を踏んでいく
    白いひかりの段段を
    舞い踏んで

    磐座に坐す

    石を身の内に挿しいれるようにして
    こころに石を纏って

    その歩境
    風のぬける
    碧の風の水路(みずみち)
    古座川の深い河床の喉に

    わたしは驚いていた


    古座駅にバスは着き
    旅は終わっていた

    この20数キロの歩行の
    世界のくぐりかたによって
    丸石への旅はひとまずの終わりについていた

    串本町にも丸石はあるが、
    久しぶりの風呂に入りたく
    とにかく串本の温泉へと歩き始める

    再びコープで巻き寿司を買い食って
    ミカンを買って、
    海沿いの国道をゆく

    連れは、重畳(かさね)山に行きたいと言っていたが、
    今回は日が暮れてしまうので、温泉へ

    途中、串本の神社へ一つくらいと
    おじさん達に道を尋ねると、
    「あの、こんもりとした…」森、があり、
    一目で向かう

    天満宮の前の田んぼに
    ミカンがたくさん
    ばら撒かれ
    夕色に沈んでいた
    これは詩のありようだ
    これが紀州

    天満宮の巨木と石を敷き詰めた域の
    巨木に額を合わせ、
    苔の髭

    「こんもりとした…」森、
    天満宮の
    田んぼ、には

    ミカンが
    ばら撒かれ
    夕色に沈んでいた
    これは紀州の、
    詩の
    ありようだ


    コメリを越え
    日が暮れる

    弘法の湯
    海の岩縁の温泉だが休み

    急いで串本町を目指す
    橋杭岩の奇岩が立ち並ぶが
    もう暗くてよく見えない

    サンゴの湯をめざしつつ、
    スーパー、オークワで
    夕食に半額になったシビの刺身とトンビマグロの刺身を食べる
    御馳走をスーパーのベンチで食べ、テント類を乾かし、
    アーモンド型のメロンパン(なぜか中に白あんが入っていた)に
    惹かれて買ったりしていたら、
    時間がなくなって、急いでサンゴの湯へ
    略地図に合わせて行ったら、オークワからすぐだったのに、
    非常に遠回りして、温泉の兄ちゃんが券売機を閉めていた
    9時25分までに入らないといけないが、
    30分頃だったので、入れてくれた
    どこかの温泉とは違う

    ゆっくりサンゴ温泉に浸かり、
    オークワで準備を整えて、
    海水浴場の東屋にテントを張って眠る

    翌朝、再び橋杭岩へ
    杭のように岩が一直線に立ち並び、
    大きな岩がたくさん転がっている
    岩の近くまで行ける
    一番大きな岩は島になっていて、
    登っていくと裏側に鳥居
    登っていくと、小祠があり
    さらに岩壁を登っていくと、
    岩の間から太陽が望める

    戻って、串本町を探索
    応挙の絵のある寺、
    美術館になっていて
    入館料が高いので見れず、
    本堂の戸が開いていて
    複製の応挙の虎は見れた

    本州最南端の方へ歩き、
    神社に着く
    古びたよい神社、
    帰りの電車の時間になったので、
    急いで戻る
















        2010-04-21 会津若松、二本松、京都、石山寺

    茨城の展覧会で出会った
    福島県立博物館の学芸員さんに
    縄文の朱漆の糸玉と縄が博物館に展示してあることを教えられ、
    これは行かなくてはと、18切符で会津に向かう

    会津若松は初めて訪れるが、
    名前からして心惹かれる場所だった

    駅から歩いて博物館を目指す
    途中赤べこや漆芸品店が並ぶ街並み

    もっと高いものかとおもっていたが
    意外と500円から1000円くらいの漆のお椀もある

    酒の博物館で
    初物の地酒を試飲させてもらうと
    すごくうまい

    鶴ヶ城の横を通って
    博物館へ
    正面入り口から黒い屋根の広い空間性が気持ち良い

    ヒスイの大珠

    赤い朱漆の糸玉に心奪われる

    へその緒のような縄の
    並んだ言葉のような姿

    じっと、赤い糸玉の色の火、水のような色の火に
    心を透して

    他にも、黒い獅子舞の面
    民俗のコーナーのへその緒を厠に捧げるものや
    どんと焼きの小屋
    キリギリスの螺旋虫籠など
    おもしろいものがある

    近代の絵画コーナーでは柳の木の絵が
    よかった

    学芸員さんにお会いし、
    お話をする

    その後、冷え込む会津の町を歩き、
    スーパーで夕食をとってから
    駅を目指して歩くが、道に迷う

    観光案内所の看板のある代行タクシーの事務所に入り
    トイレを借りて、道を尋ねると、

    どこで泊まるの?と聞かれ、
    駅でテントで泊まろうと思ってます、と言うと
    いいからここに泊まっていきな、と
    社長さんが言ってくれる
    そのまま飲み会のおわったばかりの
    事務所の和室でお酒と料理を頂き、
    泊めていただく

    この会津の深い懐の深さに
    心騒ぐ想い

    朝、お礼の手紙を書いて
    さざえ堂に向かう

    白虎隊、自決の地と墓
    さざえ堂は二重螺旋の塔
    不思議な空間性を身に纏う

    白糸神社の滝へ

    けっこう遠かったが、

    うつくしい光のはじける滝すじの
    岩の上に残った残雪の白と落水の白流が
    白をかさねる
    時のかさねに

    清水で顔を洗って
    生まれ変わるようにして
    博物館に歩いて戻る

    特別に収蔵庫の古い漆のものを見せてもらえるのだ

    厳重な収蔵庫の奥
    古い漆に宿った
    赤と黒の漆色を心に挿して、

    学芸員さんにお昼をごちそうして頂き、

    会津という地の素晴らしい
    幾重にも重なる内陸の山なみの襞のような
    懐の深さ、
    人と地に
    強く惹かれるものを感じながら、
    お礼を言って、別れる
    この場所で、仕事ができるように
    精進したい

    その後、近藤勇の墓に行きたいと言う連れに
    引き連れられ、山道を歩き、墓を見てから

    会津の商店街へ戻ってくる
    野口英夫青春通りには大きな
    蔵が立ち並ぶ、重厚な歴史を感じさせる文化の気配
    野口英夫の記念館もある

    七日町駅へつづく
    商店街を歩く頃には
    すでに日は暮れ、
    店はほとんど閉まっていた

    また会津には来たい


    駅に着き、
    二本松の友人の画家佐藤平馬くんの所へ向かう
    二本松に泊まり
    翌日、平馬くんに二本松を案内してもらう

    城跡へ向かい、傘松という大きな松を見て
    天守跡で安達太良(あだたら)山という乳首のような形をした
    うつくしい山を見る

    二本松歴史資料館で
    縄文土器

    三島神社の古面
    最も古い二枚の翁面と女面に宿る
    カミさびた気配を感じ、

    二本松神社を見て

    平馬くんのおばさんに
    おいしいそばを御馳走になる

    高村光太郎の妻
    智恵子の記念館へ

    高村光太郎より智恵子の貼り絵の方がすごかった印象があるので、
    行ってみるが、展示品の貼り絵はすべてレプリカ写真
    これは詐欺といってもよい、

    聞いてみると
    灯篭祭りの際と二回くらいしか本物は出さないらしい
    パンフレットにも、どこにもそんなことは書いていない
    貼り絵は色が褪せてしまうから保存は難しいのはわかるが、
    なぜ展示館で写真だけ見せられ、本物が一枚も見れないのか、
    一枚だけでも見せるのが礼儀だ
    (油絵とかは本物が見れるが)

    智恵子の生家の智恵子の部屋の写真はパンフレットに載っているのに、
    二階には上がれず、二階にある智恵子の部屋もまったく見れない

    これにはがっかりだった



    安達ヶ原の黒塚へ向かう
    巨石があるが、お寺の境内で入場料がとられる

    巨石の空間と芭蕉さんも来ていた地にデジャブ感
    蛇石もある

    黒塚の安達ヶ原の鬼婆「岩手」の使った石包丁が展示してある
    それは包丁というより石器だった、
    縄文土器なども少し展示されていて
    鬼婆にされた磐座に住む縄文の巫女の姿が浮かぶ

    その奥に古面のあった三島神社があったので、
    神社まで行って、

    平馬くんは二本松へ
    僕らは隣の駅から東京へ




    一度東京に帰って、京都に秋の展覧会の準備に行く

    まず京都に着いて
    父の知人の京都の大学教授を訪ね
    秋の展覧会について相談する

    他大の教授を紹介してもらい、その教授に
    ギャラリーの方を紹介してもらう

    いちげんさんお断りの京都で
    人を紹介してもらって繋がっていく感覚は
    不思議な感覚

    元立誠小という木屋町にある
    情緒ある小学校跡地を会場に考えていて

    そこの桜祭りを
    見に行ったのだが

    京都アートカウンシルという
    団体が主催しているイベントで
    高瀬川沿いに咲く桜が美しく
    とても活気のあるイベントだった

    初めて立誠小の中に入って展示を見たのだが、
    場の力のつよいところで
    とてもおもしろい空間

    アートカウンシル代表の藤森さんには前回訪ねた時から
    お世話になっているのだが、その古きよき京都を体現するような、
    酒飲んで、笑って、唄って、そのままベンチで眠ってしまうような
    とても懐の深さを感じさせる稀有な人だが、
    その人柄そのままに
    朗らかなうつくしい色の絵画だった。


    LICCAさんのギャラリーPonto15で音楽の展示を見て、

    会場に使えるというお寺を見て
    京都芸術センターをちらっと見て

    再び、立誠小で展覧会のイメージを見つめる

    その後
    桜祭りの打ち上げに参加させてもらい
    そのままアートカウンシルの飲み会にも参加させていただき
    秋の日韓展開催の協力をお願いする

    藤森さんをはじめ
    とてもおもしろい方たちと出会えた
    楽しい時間

    LICCAさんのところに寝袋で泊めていただき
    滞在制作場所の確保に動こうとするが、
    まだ未確定のところが多く、
    決められないので、

    とりあえず、
    展示とは関係ない場所へと
    旅したかったので、

    古座を目指して
    電車に乗る

    途中、滋賀の石山寺へ行きたいという連れに
    場所もよくわからないから無理だと言っていると
    石山寺駅に着く
    看板を見ると駅から2キロで石山寺とあったので、
    急遽降りて、
    歩いて石山寺へ

    スーパーで買い出しし、
    たこ焼き150円で6個
    安くてうまい
    外はカリカリ中はとろとろ
    滋賀も
    たこ焼きの生きた味の圏内だった

    途中神社に寄って
    昼食をとり

    石山寺へ
    山門の仁王の空間が力づよい

    門の建築のすばらしい
    木組みの重なりを見て、
    何となく
    縄文土器も建築的なかさねがあるな
    と思う

    生命も構造とエネルギーの両方が分かちがたくある

    石山寺はとても広い庭
    源氏物語の展示もやっている
    紫式部の使っていたという二つの円の硯など見る
    鄙(ひな)と都

    本堂、奇岩、多宝塔など
    庭の苔の碧色が
    大和絵の世界の色そのまま

    寺から再び駅へ
    スーパーのたこ焼きがタイムセールで6個で100円
    だけどさっきの兄ちゃんではなくおばちゃんが焼いている
    兄ちゃんが焼いていたほうがうまかった


    幻住庵
    芭蕉の墓のある義仲寺など
    惹かれる場所があったが、

    今回はとにかく古座へということで、
    次回京都に来るときに寄ればよいということで、

    古座へとつづく









     | HOME | 

    FC2Ad

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。