Nobuyuki Sugihara

砂場の山の隧道の指

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        2009-02-10 「もうひとつの共和国」中嶋夏&トンデモ舞踏団霧笛舎

    大野一雄フェスティバルで出会った
    中嶋夏さんの舞踏ワークショップに何回か足を運び、
    整体のように身体をほぐしていくマッサージから動きが生まれていく
    舞踏は非常に興味深かった

    ハンディキャップを持つ人と一緒に踊ることで
    動きと踊りの始まりについて感じる
    ハンディキャップを持つ人はコミュニケーションを学んでいく
    そのワークショップのの集大成とも言える公演に呼ばれたので
    旅から直行して見に行った

    「もうひとつの共和国」というのは、中嶋さんがメキシコに振り付けをしに行った際に見た絵画の
    タイトルからとったものだと言う。

    眠る人々の群像が白いシーツを纏って揺れている
    その夢見る人々がもうひとつの共和国にいるのではないか、
    というビジョン聞いた時から
    そのビジョンが見えるようだったが、

    それが現実に人体の動きとして現れるのを目の当たりにして
    その美しさに吃驚していた
    こんなこともできるのか、と

    最初の「眠り」の白い群像の光と動き
    正面で踊る女性のの存在の美しさ

    シーツを纏った人たちが揺れる時の身体の
    風のようなやわらかさ

    クジラの歩行、クジラも歩く夢を見るような

    夏さんの鮮烈なビジョンが現出していた

    ハンディを持つ子は普段着を着て踊り
    日常から夢の中に迷い込んだよう
    舞踏団のひとは白塗りのおかしな格好で踊るという
    反転の構造

    ハンディの子の踊りを
    夢という構造にうまく取り入れた
    並々ならぬ意力は
    すばらしい

    ハンディキャップの子の踊りをああいう形で
    表現したのは今までにないのではないか

    舞台美術もすばらしかった
    夏さんのビジョンを視る力によって
    視られていたものが現実化する
    それはある普遍的なイメージに触れている

    それを成り立たせているのが
    すばらしい霧笛舎という舞踏団の人たちなのだろう

    ただむしろ夏さんのソロの部分にそのビジョンを
    共有して視ているようなイメージを感じなかったような気がした

    ただ旅の疲労で最後のほうは瞼がかぶれて
    目を開けていられないような状態だったので、
    正確にうけとれたかわからないが
    すばらしい公演だった


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        2009-02-10 男鹿半島なまはげ、ニソの森、産屋、伊勢神宮

    大晦日
    なまはげを見に秋田に行こうと思っていたが、
    風邪をひいて寝込んでいた

    3日に男鹿の真山神社でなまはげが来る
    紫灯(せど)祭りがあるということで、
    2日に18切符で出発

    2月にもなまはげ紫灯祭りというのがあるが、
    紫灯祭りとなまはげを合体させてつくられた観光用の祭りなので、
    伝統的な紫灯祭りのほうが見たい

    乗り継ぎをメモった紙を忘れて、
    湘南新宿ラインで赤羽にいけばいいのに、
    上野まで行ってしまい遠回り
    その所為で、途中山形で温泉に入っていこうと思っていたが、
    時間がなくなってしまい、一日中電車に乗って男鹿へ
    男鹿駅の一つ手前の無人駅羽立駅で降りて、
    駅舎内で寝る
    外は雨
    コンクリの床にテントで寝るより
    木のベンチで寝袋で寝る方がよいと判断するが、
    やはり早朝、寒さで目が覚める
    まだ真っ暗な羽立駅から見えるローソンに行って
    食料を買ってお湯をもらってくるが、
    駅に着くと冷めてしまっていた
    始発が行ってもまだ外は暗い
    しばらくすると、駅舎内のストーブをつけてくれたので、
    アルミの器に水と餅、インスタントミソ汁を入れて
    雑煮をつくり、体をあたためる、
    ようやく、明るくなってきたので、
    駅前のタクシー会社に頼んで、荷物を置かせてもらってから
    電車がちょうど来たので、男鹿駅へ

    真山神社には羽立のほうが近いのだが、
    五社堂神社というのが、気になって、男鹿に行くことにする
    歩いて出発するが、みぞれが降ってきて、
    車道は融けたみぞれの深い水たまりができ
    歩いていくうちに靴がびしょぬれになる

    海岸沿いのうつくしい景色
    ものすごい数の海鳥が波打ち際から一斉に飛び立つ
    紫灯祭りは5時からで、それに間に合わないといけないので、
    途中で来たバスに乗る

    鵜ノ崎の海原には石が点々と広がる遠浅の見たこともない海と奇岩
    五社堂神社から山越えで真山神社にいく道が地図にのっていたので、
    バスの運転手に聞くが、命が危ないから行くなと言われる
    なまはげが見たいと行ったら、来年来たら見せてくれるという
    五社堂のある門前に着くと、少し日が出ていて
    登山道の立て看板を見ると、山越えの道は行けそうなので、
    行ってみる気になる

    雪のつもった石段を登って
    特になにがあるというわけではないが
    この時期であるからこその果ての景色を踏みしめる

    五社堂神社からの登山道は雪道だ
    登っていくうちにみるみる天候が悪化して
    雪が降ってくる
    連れが、めずらしく泣き言を言う
    靴がびしょ濡れで寒いと言う
    これはまずいかなと思いつつ、
    もう少しだけ進んでみる

    すると、とうとう吹雪のようになってきてしまったので、
    引き返す
    まだバスで戻れば、祭りに間に合う
    山を下ると天候は回復していく
    東北の山の恐ろしさを知る

    バス停に戻り、バスに乗って男鹿駅に戻る
    すると、ちょうど真山神社方面行きのバスがあったので、
    それに乗っていくことにする
    バスの暖房で濡れた靴と靴下、ズボンを乾かす
    北浦のバス停から真山神社まで歩いて30分くらいだが、
    男鹿の温泉に入りたかったので、寄り道して行くことにする
    風よけなのか大きな柵の立ち並ぶ車道を
    きびしい寒風吹き荒ぶなか
    祭りの時間を気にしつつ
    温浴ランド男鹿(200円)を走ってをめざす

    温泉に着くと、遅い昼飯を手早く食べ
    ゆっくり温泉に浸かる
    大きな窓からは雪景色が広がる温泉が
    冷えた体に沁みわたる
    湯冷めしないようよく汗を拭き
    防寒の重ね着をして、真山神社と隣接のなまはげ館、伝承館をめざす

    途中なまはげのケラ(蓑)を柱に纏ったお堂の万体仏を見る
    天井部の屋根の勾配が小さな仏像で埋め尽くされている
    大きな鳥居を通ってようやく
    真山神社
    なまはげの再現をしている伝承館は終わっていたので
    なまはげ館だけ見ることにする
    地域のさまざまななまはげの人形が展示されている

    日暮れ前に神社を見たかったので、
    200m先の真山神社へ
    途中、うつくしい榧(カヤ)の大木を見てから
    すっかり暗くなってしまったが、真山神社
    大きな丸木舟がうつくしい
    広場の焚火となにやらライトの準備をしているお堂を横目に
    急な石段を登ってくらがりの森の奥の奥宮を見る
    5時から祭りなので、引き返し
    焚火の人だかりの奥の建物を見ていると、
    焚火に呼ばれて、寒いからこっちであたたまりなさいと言われる
    四隅に竹を立てた真ん中で大きな火が焚かれる
    集まっている人は10人にも満たない
    本当になまはげが来るか心配だったが
    テレビの取材が入っていて普段はついていないライトアップの中
    なまはげが降りてくると言う
    ビールとイカのつまみを貰い
    自己紹介などしていたら、
    帰りのバスが北浦まで30分歩かないとないと話すと
    地元の人が車で送ってくれると言う
    体が冷えていたのでありがたい
    そして寒い中、なまはげを待つ
    神主が塩を撒いてからしばらくして

    ライトアップされた奥宮の石段からなまはげが二人降りてくる
    「怠け者はいねかー」「怠け者はいねかー」
    ケラを纏ったなまはげ面が雪中をどっし、どっしと歩く
    その森閑とした森の時間を歪めるような
    影の中を進むような時間の流れ

    焚火の回りをぐるぐる回りながら
    「怠け者はいねかー」「怠け者はいねかー」
    と言いながら、襲いかかってくるなまはげ
    二回りしてから石段を登って山に帰っていく

    大きな餅を焼いて黒こげにして
    神社の中では氏子さんたちがお祓いをしている

    これで祭りは終わりということで、
    送ってくれるというが、火の写真を撮りに来ていた別のおじさんが
    羽立の方を通るので、駅まで送ってくれるという

    ありがたいので、お礼を言ってその人についていくと
    神社の前の家の人と偶然会って、
    知り合いらしく、お茶でも飲んでいってと言われている
    でも今からこの二人を駅まで送っていかないといけないからと
    言っていると、二人も一緒にどうぞと
    招き入れられる
    靴が濡れているということで、
    薪ストーブで乾かさしてもらう

    それからなんと、三日間も泊めてもらうことになる
    男鹿半島の自然とともに働いているおじさんと
    自宅の庭に生きる虫たちをこよなく愛する奥さん
    二人ともすばらしい人たちで、正月だというのにとてもよくしてもらった
    濡れ靴のせいで足から冷えて、年末からの風邪がぶりかえしそうで
    秋田の野宿はきついなと思っていたので
    ありがたく泊めてもらう

    秋田の火の写真を撮っていたおじさんはその日に帰ってしまったが、
    縁というのは不思議なものだ
    男鹿の自然を見つめつづけ、
    その自然が壊されるのを身が切られるように感じ
    そのかけがえのなさを伝えつづける姿は
    とても勉強になった

    男鹿半島を一周、車で連れていってもらい
    加茂集落の
    カンカネ洞の天穴を見る

    男鹿半島の先端、入道崎
    短い時間だったけど
    何もない草原と岸壁で
    海鳥とともに吹きすさぶ風になってしまったように
    走る

    昼間は雪かきの手伝いやぶっとい丸太をチェーンで吊り上げ運ぶ手伝い
    裏山の沢登りのような散歩コースに連れていってもらって
    秋田名物のハタハタや搗いたお餅などごちそうを頂いて
    あっという間に時が過ぎた

    もし男鹿半島のなまはげを見に行くことがあったら、
    なまはげ館隣の真山神社前のお土産屋さんで
    木の実のジュース(200円)と甘酒を飲んでみてください
    ガマズミのジュース温めて飲ましてもらったけど
    とってもおいしかった
    奥さんがお土産屋さんもやっているんです

    海から立ち上がる男鹿三山のすがた、寒風山もまた
    それが大きな生きた体のように息づいて見える
    そこに生きる人の息遣いと言葉に
    身体と大地が一つにつながっていくようなことがある
    きっと生きることとはそういうことだ

    羽立駅に車で送ってもらって、
    南下し福井県を目指す
    またも一日中電車だ

    象潟駅、車中にて、日本海の冬の海は緑色だという連れに
    ここの松の緑と海の緑のその色のあたいはほれぼれとする
    他の日本海とも違う芭蕉さんの奥の細道の北の終着点
    なにかを予感させる色だ
    いつか歩いて来たい

    女鹿駅を通って、新潟県、直江津で待ち時間あり
    そのまま富山、石川、福井と横断して
    東尋坊に行きたかったが、男鹿でゆっくりしたので
    今回はパスして終電の敦賀駅下車
    やっぱり寒いので、寝床を探して徘徊
    良い場所がないので結局小さな公園の端っこでテントを張って寝る

    歩いて、
    気比の松原へ
    一夜にして松原になったという伝説の松林と浜辺
    細かな砂が波に揺られてささやく

    松林に妖しげな石がごろごろとしている
    どことなくストーンサークルや磐境を感じさせる

    他いくつか神社を巡るが、いまいちピンとくる場所はなかったが、
    清明神社という小さな神社の社の中に入ると
    おじいさんが座っていて応対する
    神棚の下に御神体の怪しいかたちの石があり
    それに触ることができる

    気比神宮も特に印象的ではなかったが、
    湧水があるのがよかった。

    敦賀から三方(縄文の丸木舟がある博物館)を時間の関係上通り過ぎ、
    三河本郷駅に降りる。

    駅でレンタサイクルを借り、
    自転車で、大飯町の二ソの森を目指す
    大きな橋を渡り、坂道を上り降りしながら、
    半島の先端を目指す
    大飯町には原発があるので、
    連れが緑がおかしいとかヒリヒリするとか言う

    二ソの森とは沖縄の御嶽のように木や森を信仰の場とする聖地だ
    御嶽と違う点は、沖縄では集落やある共同体が御嶽を持つのに対し
    二ソの森は個人が祖霊を祀るために守っている場所だ

    どこにあるのか場所はよくわからなかったが、
    御嶽と同じようなものなら、
    その森の茂みの気配に導かれるように辿りつけるだろうとの
    想いがあった

    最初の集落に着き、
    巻いていく道の途中、
    歩いているおばさんに二ソの森の場所を聞くと、
    その坂の先にあるよ
    この道沿いにもいくつもあると教えてくれた。

    坂の途中にあった小道からすぐの二ソの森は
    大木と小さな社の普通の神社に近いものだった。

    妖しげな森を探しながら、自転車をこいでいく
    次の集落に着き、なにかありそうなので、
    集落に下っていくと、畑の敷地の茂みに小さな社
    あれも二ソの森なんだろうとながめ
    集落の路地に入っていくと、
    おばあさんが野菜を道端で洗っていたので、
    二ソの森の場所を尋ねる。

    幾つもあるというが、うちの二ソの森は坂を登って大きな水の桶がある上だからわかるよと
    教えてくれた。他にもガソリンスタンドのところにもあるし、山の中にもあるというが、
    他の家の二ソの森の場所はよくわからないという。

    お礼を言って路地を出て、坂を登っていく途中、
    大きな照葉樹の茂りを見つけて、
    もしかして、これもそうかと、入っていくと
    やはり、竹林の合間の巨樹のたもとに社があり
    これこそ二ソの森、
    この照葉樹の巨樹が二ソの森なのだと気づき、
    巨樹を探すと、すぐ坂の上にも巨樹の二ソの森があり、

    坂を登ったガソリンスタンドの裏に
    少し荒れ果ててはいるが、社を見つけ、
    そこからすこし下がったところに小道の入口を見つけ
    木々のトンネル小道をぐんぐん入っていく
    奥に巨樹と社のうつくしい小空地
    社には藁でつくった小舟が供えられている

    このだれのものでもない
    巨樹の小空地、祖霊の為の処(トコロ)で
    この心の空白の置きどころのような
    隙間に心を放すことで
    やわらかにほどけていく

    森のうねりとひとつになっては
    再び人の世界に帰っていく
    その節のような生活のリズムを思って

    そういう場所をひとりひとりが持つことができれば、
    一人一本の樹を植え育て、守っていく
    そのだれのものでもない、木の為の場所
    (祖霊のためでもいい、それは物理的には存在しないものの空間、木自体と一つにとけあっている)
    こころのすきま
    無意識がおよぐように
    してやればいい
    その水面下の羽根の羽ばたきが
    こころの裸に脱いだ
    そのやわらかな時間のケープのような
    自由の裸のすがた

    連れがなかなか来ないので、
    小道の入口まで戻るが、
    行きあわない

    辺りを探すが、どこにもいない
    先に行ったか自転車でも探すが見つからないので
    戻ってみると、小道から出てくる
    この奥で迷っていたという
    一本道だったのになと思いつつ
    見つかったので、自転車に乗って先に進む

    右手に大きな森があったので
    行ってみると神社があって
    小山のようになっている森一つが神社
    巨樹がならぶ翳りの森

    観光案内所の人から二ソの森に詳しい人が
    小学校にいると聞いていたので、
    小学校に行って聞いてみるが、あまり詳しい人はいなかった

    日が暮れてくるので、
    急いで先に進む、
    峠道を上って行ったが、二ソの森らしきものは見つけらなかった
    峠道を越えて集落に降りてくると
    半島の先端の集落に着いていた。

    家から出てきたおじいさんに二ソの森の場所を聞き、これ以上先の岬に二ソの森はなく
    集落の裏の森がそうだというので、その二ソの森に行く

    畑の真ん中にこんもりと茂る森が二つ並んでいる
    片方はおそらく猪よけの高い柵に囲われて入れない
    もう片方は、柵が倒れ、入れるので、入ってみると
    沖縄の御嶽の森と同じねじれた樹々の交響
    巨樹のうねりと瘤と蔦の木のねじれの響きあう聖地
    社はすでにない
    奥に神社の跡地を示す碑
    これこそ二ソの森だ
    大きな森のホール
    海寄りの森も妖しいので行くと、
    巨樹が倒れて荒れていたが
    もと二ソの森のようだ

    日が暮れてきたので、
    峠道とは逆側の海際の道を戻る
    隣の集落の入口の道に蛇の形の注連縄が張られている
    坂を上ってきたおばさんに二ソの森のことを聞くと、
    山の中にあるのと、後ろの民宿の人が近くに二ソの森を持っているというので、
    行ってみるとおばさんが出てきたので、聞いてみるが、
    漁にでているおとうさんに聞かないと、
    二ソの森を見せていいかわからないから、と断られる
    なにか儀式の準備があるのか
    現在も儀式が息づく森は見たかったが、
    時間がなかったので、次回に

    海の向かいに妖しげな島が浮かぶ、
    あそこも聖地らしい

    駅に向かって戻りはじめると、漁を終えたおじさんがいるので、
    二ソの森を尋ねると、近いのは原発に行く途中の坂道にあるという
    時間があるときなら二ソの森を案内してくれるというが、
    今回はレンタサイクルの返却時間が迫っていたので、
    あきらめて、教えられた場所へ戻ってみると、
    二ソの森ではなく古墳だった

    レンタサイクル返却の為、急いで戻る

    美しい森、すばらしい文化が残っている場所には
    原発がつくられてしまう
    人が少なく、慎ましく自然とともに暮らしている生活に
    どれほどの変化を与えたことか、

    若狭湾には原発が多すぎる

    駅で自転車を返し、
    駅から徒歩15分くらいの
    「あみーシャン大飯」という温泉(300円)に行って
    外で、固形燃料を燃やし、空缶でお湯を沸かし
    餅と味噌汁で雑煮を作り夕食をとってから
    温泉に浸かる
    4階に引き上げられた温泉は加水されているので
    薄い印象。眺めはよいが、温泉がよくない
    これも原発バブルの産物か
    駅に戻り、駅舎で野宿

    電車で綾部駅へ
    大原神社の産屋は地図上で見たら、
    山家駅か立木駅が最寄りだったので、
    乗り換えて、山家(ヤマガ)駅で降りる
    山家駅という名前にひかれて降りてしまったが、
    道を近所の人に尋ねると、
    立木駅のほうが近かったうえに、
    山家駅からは山越えの道がなく、一度
    綾部に戻って国道を行かないといけないというので、
    まいったが、歩きつづける
    途中何人かに道を尋ねつつ、
    相当遠い道のりであることを実感する、
    国道まで戻る前に山際の集落に登る道があり、
    地図があって、大原集落に抜ける道が載っているので
    その道を行くことにする
    山間ののどかな集落の道を歩き
    家の前で世間話をするおばさん二人に道を尋ねると、
    大原に抜ける山道は今は使う人がいないから、
    行けるかわからないと言われるが、今更戻れないので、進む
    鳥居があって、山道になる
    登り口に野イチゴがそこら中生えているので、
    食べまくる、半分凍っていておいしい

    行者堂までは村の人が行っているので、行けるがその先の
    峠道が行けるのかが問題だった

    30分くらいで行者堂に着くと聞いたが、
    なかなか遠い、マツタケのある山とはこういうところかと眺めながら
    行者堂に続く鳥居にたどり着き、せっかくだから寄っていくことにする。

    岩壁をよじ登るような道を登り、行者堂に着く
    景色をながめ、峠越えの道に戻り、歩き始める
    倒木が多く、歩きづらい、雪も少しある

    標識がないので、これで道があっているのかわからないまま
    位置関係から予測して進む、赤いリボンは結んであるが、かなり道がわかりづらい
    峠を越えて、道が分かれていたが、一方は林業の人が行くような尾根道で
    もう一方が下りの道なので、おばさん達が下りの道だと言ってたので、
    下るが、川の跡なのか、道なのかわからなくなって赤いリボンもなくなる
    若木が道に生えているような道というのは新鮮な感覚だ
    途中とうとう、道が消えるが、そのまま下る
    雪に足跡のような形を点々と見つけていたが、
    それが本当に足あとだったか自信がなくなってくる
    これはヤバいかなと思い始めた頃、
    小川の向こう側に川水を引き込むホースが設置してあり、
    人工物を見つけて、少し安心する
    人里が近いのではないかと、
    対岸に渡り、そこからつづく道らしきものをたどる
    すると、林をぬけて明るい光が見えてくる
    見晴らしが利くところまでくると
    谷間に一軒家が見え畑がある

    やっとこさ安堵し、遭難しなくてよかったと降りていく
    茅葺の大きな家に行って人を呼ぶが、留守だったので、
    電線の続いている林道を下っていく
    人里には着いたが、次の問題は
    ここが本当に大原村かどうかということだった
    舗装された道に出て民家にいるおばあさんにここは大原村ですかと
    尋ねると、そうだというので、
    目的地に着けた喜びを噛みしめていた
    1、2時間で着くと思っていたのにもう半日以上かかっていた

    大原神社を目指す
    川沿いの道を下りながら、
    稲荷神社に寄って、川向いの崖に社が立っているので、
    橋を渡り、階段を上って社をみる
    途中、古びた山繭を拾い
    ゆっくりと下の方から歩いてきた
    おじいさんとおばあさんに大原神社の場所を尋ねて
    歩き出す
    しばらく行くと斜面に地蔵を見つけ、その上にほら穴
    川向かいの広場でゲートボールをしていたような、おじいさんに
    声をかけられ、話をきいてから、大原神社へ
    大きな茅葺の社が見え、
    山間の集落なのに立派な神社だなと感心して
    石段をのぼる
    下から見えていたのは絵馬殿だったが、
    社殿も大きかった
    おばあさんがゆっくり参拝してまわっていて
    社殿左の摂社への参道の苔の道で一礼してゆっくり歩き出す
    おばあさんに見とれる
    おばあさんは社でお祈りをしてから右回りに
    社を一周してまたゆっくり歩いて戻っていった
    それを真似して

    産屋は神社から少し離れた川下にあるらしいので、
    そちらへ行く、産屋に着くと、それは川のすぐ隣にあった
    見晴らしのいい川端に
    川音に耳を立てるようにして立つ
    天地根元造の茅葺小屋
    切妻屋根だけの構造は
    大地そのままのような建物
    中央に盛られた「子安砂」の山と
    奥にはお産の時にしがみつく二重の縄が屋根の丸太から垂れ
    右奥には石が積んであり、その下に胞衣、胎盤などを埋める
    稲藁を持って産屋に籠って出産したという

    川隣にある産屋の
    お産のときに水音が聞こえている
    水音が体を抜けて流れていることの意味は
    とても深いのではないか

    やはり内藤礼さんの母型と産屋のイメージの重なりを実感する

    連れは産屋に歩いてくる道が気にいらなかったらしく
    川端の道を引き返し歩き直して産屋をみていた

    帰りは歩きたくなかったので、
    バスで綾部に帰ることにして、
    郵便局で商店がないか聞いたが、無いというので、
    またも固形燃料で餅を茹で、雑煮を食べバスを待つ
    バスで、綾部駅に戻り、
    スーパーで食材を買って、
    伊勢を目指す

    京都を通り過ぎ、
    伊賀、甲賀という忍者の里の駅を越え
    柘植(つげ)という駅で乗り換え時間があったので、
    地図を見てみると松尾芭蕉生誕の地と書いてあるので、
    ここで野宿することにする
    駅前には何もないので
    とりあえず神社に行ってみようとするが、雨が降ってきたので
    引き返し、駅の待合室でテントを張って寝る

    朝、荷物を駅に置いて都美恵神社へ歩く
    以外に遠かったが、趣のある石の神社
    石段を登って裏山にも行ける

    柘植の景色は山間の隠れ里といった感じの
    慎ましやかな丘の襞のような風景だ
    忍者を生んだ地というかんじ

    歩いて万寿寺へ
    芭蕉の供養塔がある
    石塔が集まっている

    それから、芭蕉の生誕地跡を探して
    さ迷う、高速道路の近くに地図で示されていたが、
    道がわからず、出会ったにいちゃんに道を聞くとデタラメ教えられ、
    コンビニで尋ねるが、そんなものはないと言われる

    しかも、芭蕉生誕地は伊賀上野にもあって
    そっちの方が本命っぽい
    連れが意地でも探すと、観光案内所に電話をかけ
    行き方を聞いて、コンビニで地図を見せてもらい
    確認していく
    松尾家が立ち並ぶ、黒い屋根の立派な家並みの間に
    芭蕉生誕地の碑があった

    それから荷物を置きっぱなしだったので、
    急いで駅に戻り、伊勢へ

    それにしても柘植という場所はおもしろいところだった
    夕方早くから、駅員が不在となり、
    パブリックな観光化がされず、
    忍者生んだ風土
    中央集権の影響をうけず隠れ住むように
    地についた生活を送っているような
    そんな印象をうけた

    走り出した電車の車窓から
    霞たつ山々と川がうつくしく流れていく

    伊勢の山並みの色というのも
    淡い明るい色調のうつくしがある

    伊勢市に着き
    駅前の神社をめぐり
    伊勢うどんを食べる
    伊勢うどんは一番有名なうどんだろという
    うどん屋の店主
    熱いお茶を入れてくれ、
    昔、釣りに行く人たちが、寒いので、伊勢うどんとお酒を一杯飲んで
    胸に新聞紙をはさんでバイクで海まで走り
    釣りをして来ると寒くならなくてすむという話をしてくれた
    熱いお茶をいれて持って来なさいと
    空のペットボトルをくれた
    この心づかい
    でも以前にたべた伊勢うどん屋のほうがうまかったな
    すこし腰がなさすぎた

    小さな贅沢、苺大福を買って食べ
    伊勢神宮外宮、
    小雨があがり
    霞がかった豊かな森の巨樹たちが
    神聖な森の吐息をもらしているような
    うつくしい森

    伊勢神宮は20年に一度の遷宮をすることで、
    その社の中はからっぽであるということを伝えている
    年経た社殿はそれ自体になにかが宿ってしまうが、
    本当は社殿そのものではなく、その森と巨樹自体が
    カミであるということを伝える
    その証拠に、むしろ遷宮予定地の空き地と小祠の空間のほうが巨樹とうつくしい対比をなして
    神聖な場をつくりだしている
    閉ざされた社殿よりも

    このうつくしい伊勢神宮の森と巨樹は、すべての日本人に見てほしいものだ
    この森があるということが、日本という大地の大切な良心の地であるような
    とくに霞がかかる森の息づく刻に
    摂社の奥の巨樹はウロの中に入れる
    この記憶がウツホ舟の記憶とつながっていったのだな

    伊勢市駅の方に戻り、月夜見宮を見る
    ツクヨミ関係の神社は夕暮れにかぎる
    以前見た時は暮れ色に染まった社殿と金色の装飾が月のように
    輝いていたが、その感動はなかった
    (紀伊田辺の闘鶏神社の暮れ色の紺の銅屋根うつくしさと同じような色だ)

    伊勢市駅から近鉄で五十鈴川駅へ
    赤福を買って食べる
    やはり赤福はうまい

    五十鈴川駅から
    歩いて内宮へ
    途中、月読宮
    森の奥の隠れ家(こもれや)のような金と紺のうつくしい社殿だが
    以前に見た時の雲間から顔を出す月のような
    朧にふるえる夕暮れの時間ではなかったので、そこまでの感動はなかったが、
    うつくしい森だ

    猿田彦神社と猿田彦土中神社
    知り合いのアーティストがつくった猿田彦土中神社という
    八角形の土壁の建物の天井画に土中に埋めた絵画を配するという作品の
    パンフレットのデザインを担当したので、その実物を見るのが
    今回の伊勢行きの目的だった

    しかし、その根っこを塗りこんだ八角形の土壁は魅力的なのだが
    赤い注連縄と赤い紐を巻きつけた扉の赤い色が自然の森の緑から浮いていて
    地になじんではいなかった
    中に入ると薄暗い土中絵画の天井画が広がるのだが、
    それも少し、天井が低すぎると感じた、
    天窓の自然光とLEDのライトで照らすことで、
    光源が複雑になり
    そのパンフレット作成の為に見に行った
    掘り出されたばかりの
    土中絵画の生命のぬくもりの光を宿したような生々しいいうつくしさが
    感じにくくなっていた
    掘り出した絵は裏打ちされ、標本化されたようなかんじになっている
    でもそれは、土中絵画が掘り出されたばかりの
    もっとも生々しいうつくしさの状態を見て、比較してしまっているからかもしれない
    初めてあれと出会った人はその美しさに圧倒されるのかもしれないが
    その元のうつくしさの感動を知っているものとしては
    やはりもったいないと思ってしまうのだ

    アートという立場を越えて森や宇宙とつながっていく
    その境というのは非常に繊細なバランスで成り立っているということなのだろう
    その出会い方に関しても
    一年間の展示期間があるので、建築であることも考えれば、なじんでいくこと、
    もしくは常設展示になる可能性もあるとすれば、時がその場を歩みよせることも
    踏まえなければない

    本人はとてもおもしろい人で
    共感するところも多く、これからの活動が非常に楽しみであるので、
    注目していきたい

    http://toraji.jp/

    それから、内宮に行くが、日が暮れてきて閉園するというので、
    走って内宮を見て回る、もう暗くなってしまったが、一通り見て

    五十鈴川駅に戻り、
    ジャスコで半額食料を大量に買って食べる
    その後、寝床に困り

    伊勢市駅隣の無人駅、山田上口駅に行き
    がらんとした駅舎で野宿

    4時半の始発で東京に戻り
    霧笛舎の「もうひとつの共和国」を見に行く




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