Nobuyuki Sugihara

砂場の山の隧道の指

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        2008-10-29 カモの解体

    千年の森という自然学校で、
    冒険キッズさんたちの秋の収穫祭に呼ばれて、

    友人のアイガモを子供達が育てていて、
    それを捌いて食べるというイベント、
    当日、朝友人の家の前にいくと、すでにカモの血抜きが始まっていた
    羽根の付け根を持って、クチバシをその持ち手に挟み込んで、
    両の頸動脈を切って、血を流し、絶命させるというものだ

    友人がやってみる?と言ってくれたので、
    やってみることに
    籠に入れられたカモを羽根の付け根を持って持ち上げ、
    そこにクチバシを挟み込むと、ほとんど身動きがとれなくなるので
    剥き出しになった首の骨の下の頸動脈だけを切る

    大切に育ててきたカモだから、なるべく苦しみを最小限にして、
    死んでもらうという
    友人の想いがあるのだ

    すこし風邪の治りかけで、体調が万全ではなかったが、
    手にカモを収めて、包丁を握ると、鼓動が高鳴り
    緊張が体の芯に湧きあがってくる
    その逡巡の気持ちとともに頸動脈の位置を何度も確かめる

    そして、一思いに包丁を入れる
    毛と擦れて一太刀では切れず、
    再度、包丁を入れる、皮膚を断つ感覚とともに、血が流れ落ち、
    庭の草の上に落ちる、

    そして知らないうちにその血の上を踏みながら、
    反対側の頸動脈にも包丁を入れるが
    うまく切れない
    片方でも5分以内に絶命すると聞いていたので、そのまま首を下にして
    ぶらさげる

    片方しか切れていないので、
    カモが鳴き声をあげる、もう一回切ったほうがよいかもしれないと友人が言うので、
    もう一回試みるが、やはり切れない
    どこかに致命傷をおわせた後、更に傷つけたくないという気持ちもあったのかもしれない

    赤いコーンをひっくり返して重ねたタイヤに差し込んだものに、
    カモを入れ、血を残らず出して、絶命させる

    手についた血を拭き取りながら、
    次のカモが首きられるのをながめる

    6羽のカモが血抜きされ、千年の森に運ばれていく
    一度解散して、昼頃から解体が始まる

    車で迎えに来てもらい、千年の森へ
    湯を沸かし、包丁を磨いで、準備をしている千年の森の人
    カモを一羽づつ、60~70℃のお湯に一分間漬け、
    羽根を毟る、大きな羽根から毟りとらないと、抜けなくなって、
    皮も千切れてしまう、
    友人はカモは皮がおいしいからと何度も言っていたので、
    なるべく、慎重に身繕いをしてやるような気持ちで、
    丁寧に手早く羽根を抜いていく

    以前に友人の所で、フランス料理のシェフと一緒に毛抜きをした時、
    そのシェフの手早さと綺麗さを見ていたので、
    それを見習って抜いていく

    ある程度抜けたら水で抜けた羽根を洗う
    同時に温まった肉を冷やす保存効果もある
    清流があるので、川で洗って、丁寧に抜く

    まな板にのせて、解体を始めるが、これも初めてなので、
    経験者のお医者さんに教えてもらいながら、解体する
    皮に切れ目を入れ、肉は切らず、関節やスジだけを切って、
    手で肉と骨を剥いでいく感じ、
    前に鳩を自分で解体して食べた時は感じなかったが、
    アイガモは脂がのっていて、
    おいしい肉をつくっている感触が手に伝わってきて、
    とても楽しかった

    内蔵はズボンを脱ぐようにして引っ張りだして、
    心臓、レバー、砂肝(本当に砂肝には砂が入っていて、川で洗って食べる)を取り出す、
    手に残った甘い脂の感触はいつまでもとれず、
    昔の人はこの脂をどうしたのだろうと考えていると、
    お湯をタンクに入れて用意していて、
    それで洗わしてもらうときれいさっぱりとれる

    カモの死というものが、そのまま、おいしい肉という
    生を繋ぐものに変わっていく
    自らの血肉、生そのものに変換される
    その表裏一体の生と死のダイナミズムの時空間に入っていくことは
    「畏れ」を抱くこと、
    自らの生命の鼓動に触れること
    生死が一つになる儀式というのが、食べるという日常化された行為の本質なのだ
    それこそが、おそらく生きることそのものであり、
    現代都市生活が失ってしまった生命のよろこびのリズム

    それは、食だけと切り離されたものではなく、
    育てる、捕る、殺す、捌く、料理する、食べる、埋葬するなどの総体的な体験からくる
    生命の活動のうねりなのだ
    食べること一つとっても、暗闇で食べる食事は味気ないものだ、
    色のない食事、
    五感のすべてで味わうからこそ、うまいように、
    記憶や体験が繋がってこそ、そこに命のながれが生まれる
    それは風のうねり、水の流れやそういったものの形や音楽とも似ている、
    同じものなのかもしれない

    そして、夜になり、電気も水道もない千年の森の山小屋と広場では、ランタンが灯され、
    カボチャをくり抜いたランプも灯され、田んぼの仕事を終えた友人もやって来て、
    収穫祭の前夜祭が始まる
    カモとネギの炭火串焼きの甘い肉の美味と
    カモガラでとったスープでつくった新鮮野菜のカレーライスと
    カモの刺身、友人の無農薬アイガモ米と贅沢な食事を頂く
    体調が万全でないので、すこし早めに帰り、

    次の日、昼からの収穫祭にいく、
    カモの肉は適切な捌き方をすると、ほんとにおいしい肉になる
    おいしい、カモのすき焼き、カモのオリーブオイル炒め、カモ鍋、カモの焼肉
    二日目のよく煮込まれたカモがらカレー、カモネギの炭火串焼き、
    お母さん方の一品持ち寄りの美味しい料理の数々、焚き火で焼いた焼き芋、湯でたてピーナッツに炒りたてピーナッツ、レンコンのフライや山ぶどう酵母のモチモチ焼きたてパンや、無農薬アイガモ米と圧力鍋で焚いた甘い玄米ご飯と贅沢の限りを尽くした料理を頂き、
    最後に、プロのラーメン屋さんにつくってもらった、カモがらスープの醤油ラーメンがうちに残っていたので、それを持って来て、ラーメンを食べ、満腹になる

    その後、
    千年の森に子供達と散策に、小川を越え、蔓の木だらけの森で
    大人も一緒になって、木登り大会、
    すこし離れて、沢沿いを散策していると、すごい勢いで黒い生き物が沢を駆け登っていく
    すごく大きかったので、熊かと思ったが、
    後で、山の上にカモシカがいて、黒かったのを見たから、
    カモシカだったかもしれないけど、
    この森はすごくよいところだ、

    川沿いを歩いているとき、苔むした倒木があり、茸が生えている、
    一目みて、エノキタケではないかと思って、少量だったが収穫して、
    千年の森の管理人さんに聞いてみるが、わからないという

    帰って、ネットで調べると、色形、鉄錆の匂いがするなど、あてはまり、
    初天然エノキタケを味噌汁にして食べてみると、すごくうまい

    スーパーで売ってる、白くて細いエノキタケの束は、モヤシであり、
    天然ものは潤んだ茶色で、柄は黒い、まったく別物なのだ

    そんなこんなで、楽しんで、いたわけだが、
    この収穫祭には子供達にとってすごく大切な生命の学び、
    本当の学びの物語があったのだということを
    友人のブログを読んで知った
    とても感動的な話だ→千年の森の収穫祭




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        2008-10-14 会期延長

    西丸震哉記念館の企画展「白蛇-神庭(カムイミンタル)」の会期が
    10月26日(日)まで延長されました。
    みなさん、きのこ狩り体験宿泊しに来てください。





        2008-10-14 「白蛇ー神庭(カムイミンタル)」 杉原信幸×山形淑華

    建築デザイン、空間デザインを担当した
    探検家、食生態学者の西丸震哉さんの記念館で展覧会を行います

    今回は詩人の山形淑華さんを招いての二人展です

    韓国の展覧会で発表した「神庭(カムイミンタル)」、油彩画、野焼き土器、
    映像、写真、詩などを西丸さんの収集品とコラボレーションしながら展示します

    期間中、パフォーマンスも予定されています
    詳細はブログの更新にて



    東京からは遠いので、来場される方は、事前に連絡をもらえれば宿泊できます。
    長野は今キノコ採りの真っ盛りなので、
    キノコ採りに行っていのちの味のするおいしいキノコ鍋でも食べましょう。

    会期が26日まで延長されました。


    遠いと言っても、
    高速バスで
    新宿→信濃大町駅 4時間(片道4100円、往復3700円)
    信濃大町駅→稲尾駅 10分(200円) 
    http://www.alpico.co.jp/access/express/

    最安
    新宿→松本駅 3時間半(2000円)
    松本駅→稲尾駅 1時間半(820円)
    http://www.tourbus.jp/pc/tourbus/route/17/index.html

    と結構安い、車で来られる方は
    諏訪で温泉(210円)にはいって来られるのがおすすめです。

    ご来場を予定の方は連絡くだされば、
    特製ご招待DMをお送りします。

    メール:nishimarukan@bj.wakwak.com



    西丸震哉記念館レイクサイドギャラリー第一回企画展
    杉原信幸×山形淑華
    「白蛇ー神庭(カムイミンタル)」

    2008年9月26日(金)~10月26日(日)
    10時~16時30分(事前連絡で延長可)

    休館日 火、水、木曜日(休館日も事前予約でオープンします。)

    入場料 無料 (カンパ歓迎)



    西丸震哉記念館
    レイクサイドギャラリー&カフェ

    長野県大町市平10901
    Tel.0261-22-1436

    交通案内

    電車:
    JR松本駅よりJR信濃大町経由
    稲尾駅下車徒歩5分

    車:
    長野自動車道豊科インターより45分


    http://snsl.exblog.jp/

    hakuda.jpg
    「白蛇」 山形淑華 映像 2008年 

    IMGP0648.gif
    「神庭(カムイミンタル)」 杉原信幸 貝、花 2008年











        2008-10-05 イワナの掴み捕り

    友人の稲刈りの手伝いに行って一緒にハゼカケ(稲穂を天日干しするために、木組みの棒に掛ける作業)をして、
    知りあった冒険キッズさんは、
    千年の森という自然学校で
    子供と一緒に活動している
    西丸館の展示も見に来てくれた

    千年の森に興味があると言ったら、
    山ブドウを採りにいくので、一緒にいきましょうとさそってくれたので、
    稲刈り作業の後、車で千年の森へ連れて行ってもらう

    上原(わっぱら)遺跡を越えて、山道をのぼっていく、
    ツリーハウスのある山小屋で管理人さんに挨拶して、
    高枝切りばさみを借りて、山ブドウ採り

    去年、噴湯丘に行った時採った山ブドウより、
    ずっと大きく、普通のブドウの小さいやつくらいの大きさがある
    高い木の上にあるブドウは、高枝切りばさみで、ガードレールに乗っても届かないので、
    あきらめて、ふらふら、キノコを探して近くの沢を見ると、
    魚が捕れそうなので歩いてみると
    魚影がはしる
    裸足になって、凍える冷たさの水に入り、
    石の下に手をつっこみ、魚を追うが、逃げられる、
    数匹に逃げられ、やっと石の下に追い込み、ぬめりのある魚体に触れ、
    尾っぽを掴んで、なんとかひっぱりだそうとするが、あと一歩のところで逃げられる

    悔しいところだが、手足が凍えてしまい、戻ると、
    ちょうど、子供達も山ブドウ狩りを終えて帰るところだった

    あと一歩で、魚が掴めたところで、魚はいっぱいいたと話すと、
    冒険キッズさんも、天然の岩魚を捕ったことがないので、
    捕りたいという、
    それで翌日の朝から再び行くことになる

    朝、再び千年の森へ、昨日の沢に入るが、
    朝なので昨日より冷たい気がする
    朝飯の握り飯を食べてる間に、
    先行する冒険キッズさんが、一匹目の岩魚を掴み捕る
    エラに葉っぱを差して、バケツにいれる

    どんどん沢を登り、岩の下に手を突っ込む
    やっとのことで、岩の下で岩魚を掴むが、ぬめって、ひっぱり出せない
    今度こそはと、鰓に指をつっこみ
    なんとか両手でしっかりと掴み
    引っぱり出す

    ビクに入れて戻ると、
    「岩魚がいた」と、
    三人がかりで追い込み、流れてきたところを
    掴み捕る

    山道をさらに車で登ったところにある
    源流のほうが大きい岩魚がいると言うので、行ってみることにする

    源流に着き、ずんずん登り、深みで2、3匹いたのに逃げられたりしながら、
    遡る、けっこう小さな溜まりに黒い大きな魚影が走る
    石で逃げ道を塞ぎ、3人がかりで追い込む
    足元にいる、の声に合わせて、
    流木の下でゆっくりとその魚体を掴む
    おおきな体が意外と掴みやすく、掬い上げると激しく跳ねる

    同じ場所にもう一匹けっこう大きな魚影が見え、捕れた岩魚をビクにいれに行く間に、
    連れと、冒険キッズさんが二人がかりで、追い込む

    連れは初めてで、まだ一匹も捕まえていないので、
    掴ませてもらうが、引っ張りあげられず、結局、冒険キッズさんが頭を掴み
    捕る

    捕った魚をすっ転んで逃がさないように、
    細心の注意を払いながら、沢を下る

    最後の岩の水流コースターのような細長い流れのところで、すっ転び、半身濡れるが、
    ビクは守りぬき、着替えて、戻る


    管理人さんに見せると、こんなに短時間で、大漁なのは見たことないし、
    こんな大物は久し振りだという、収獲は6匹で、大物は27.5センチだった。
    掴みどりの最大記録は32センチだと言うから、かなり大きい

    でも、原種の岩魚はむしろ小さい二匹で、黒い魚体に銀色の細かな斑点が
    雪原にきらめく細氷で織られた錦のように光り輝く

    大物は腹が黄色い、養殖を放流したわけではなく
    下流から遡ってくるらしい


    家に戻って、さばいて、火鉢で炭をおこして、塩焼きにすることにする
    内臓は、連れがナラタケとウワバミ草の吸い物を作る
    米を炊いて、
    じっくりと焼くと、パリパリの皮とほっくりと柔らかく甘い白身がなんとも旨い
    やはり、原種の岩魚が一番うまい気がするが、
    時間をかけて焼いた大物はたっぷりとした肉がほくほくとしてうまい、うまい
    頭から骨まで、炭火で焼いて骨煎餅を作って残らず食べる
    丸ごと全部食べられる岩魚に感謝


    それにしても
    あんなに沢のたまりごとに岩魚がいて
    天然の岩魚が捕れるなんてすばらしいところだ

    しかも、上流のほうが、大物がいると言う
    あんなに細い流れを岩魚が遡っていくという
    その跳ねるような
    “沢”のイメージはすごい

    岩の下にいる岩魚
    つめたい水底の岩の下に手を差しいれると
    出会うイノチのぬめりの揺らめき

    それは小さいころ、年に一度、長野でじいちゃんと一緒に行っていた
    イワナのつかみ捕り、川を堰き止めて放流したイワナだったけど
    その生命の揺らめく記憶にであう指先に今度は
    自然の沢で出会えるとは
    うれしいことです










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