Nobuyuki Sugihara

砂場の山の隧道の指

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        2013-08-19 空に水送りす

    朝明(あさけ)は、旅の予感に咽び、

    朝露に頭を濡らす立ち石は、
    空と性交する大地、

    夜露を朝へと放ち、
    空と性交する、
    蛹の幼生はあなた、

    朝に澄んで、
    大地と呼吸する、
    空の吐息に濡れた、立石に朝陽さし、
    大地の根、
    空に水送りす、

    水の根の子がうたうたう、
    湖(こ)、湖(こ)、湖(こ)、












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        2013-08-19 枯れ河の流

    河が枯れた、

    夏の枯れ河は風路、
    水のない石の河原に風奔る音の耳、

    わたしはずっと川底を歩いていた、

    水のない枯れ河の流路舞う、

    流紋の欠け、

    枯れ河、にび色に光りて

    石の川床を風とともに舞っていた、

    光を洗うような風、
    水の手あとの水路、

    大地を洗濯する流の渦、

    枯れ河に湧く、宇宙の等差、

        2013-04-13 皮なめし対話

    照葉樹林の座(くら)石が、
    持仏のように洞(ほら)を纏った木の生えた、
    あいまに、小洞窟は空に架けた絵馬、
    瞳に刺青された宇宙咳、
    雪の山、
    あいだにさかれた、
    花という時間のひかり

    裸であること、
    毛皮と脂肪のあいまに夢を纏った獣、
    洞窟壁画は身体に夢を刺青して、
    命に包まれ纏うこと、
    裸は常態化した変化の生の姿

    カワにつつまれて水の中を泳いでいる、
    それが生であり、
    性の揺り籠、
    籠というのも竹の龍か、蛇の流、舟

    そうか
    皮は、水の中なのかもしれない、
    カワは、川、皮なのか、やっと繋がった。


    温かく濡れた毛皮の内側の触感というのは、
    水を掻いたときの、水かきのように生じる膜の感覚にとても近い。
    血潮の潮流というだけではなく、水の意識の生命体であって、
    常に変化し流れる川が膜に包まれ、思考し、
    移動する川としての生物、
    それは自転と公転というもの凄い回転運動を続ける
    地球が常態であることに合わせるように、
    常に流れ打つ中に意識があるということ


    皮の中の川、生命の層であること、
    血管の描く川。川の中の皮というのは、
    なにか、川の中に流れる文字のイメージ。
    吉増さんの『草書で書かれた川』という本を思いだしてたけど、
    その中の「老詩人」という詩は、
    北上で朗読したものだったんだなあ、
    北上川ということもあるけど、
    川に刺青して、フィルムということにもつながっていくな。
    東北のシシ化する身体とともに、
    沖縄の植物神としての舞、照る葉の文化。

    若水を汲んで飲むこととか、湧水で顔を洗った時とか、
    水との親和性は、意識の流路の問題にも関わることで、
    歩くとか旅によって、身体という水を地形に流していく、
    身体と言う川をつくる旅によって、開かれ流れ、
    浮かび上がるもの。

    科学的なイメージではなく、イメージが突き抜けて、
    観察が振り切られる場所。
    写真の現像という水から浮かび上がるものと、
    吊られたネガフィルム、
    写真像のOHPフィルムに書かれた吉増さんの書、
    8ミリフィルムの回転の流れ、
    川面の光の皺に挿される文字の破片は声、
    流れる川に泳ぐ、写真像や文字の書かれた布、皮、
    記憶という水の中の鯉のぼり


    大陸からフェリーで帰ってくる時の
    中国地方のミニチェア的な山なみ。
    その中に、沖縄の御嶽へと繋がる照る葉の文化があり、
    明らかに境地は照る葉の森とともに西日本に残っている。

    江の川を歩いた時にも、
    もの凄い螺旋木のうつほの森の境地があったし。
    東日本にはストーンサークルの文化があり、
    シシ踊りの荒ぶる祭があり、縄文文化が花開く、
    杉をご神木とする垂直性の聖地より、
    照葉樹の女性的な洞の螺旋の森の照る葉の光に惹かれる。
    椎葉神楽がどういうものなのか見に行きたい。
    日本におけるストーンサークルというのは、
    照る葉の森の女性性を現すのかもしれない、
    中部の土偶と火焔土器も同じかもしれない。
    そういえば、
    青森の神社の鳥居には巨大な女陰としか思えない注連縄が吊ってあるのは、
    杉の垂直性に対する応答なのかもしれない。
    そういう風に大きな力が補いあって、
    呼び合っているのかもしれない。

    縄文文化は落葉広葉樹林と重なるのですね。
    これも裸ということと雪ということですね。
    裸の木というのが、
    冬季に洞やうつほをつくれないためか、
    落葉樹の聖地というのはあまり見たことがない気がする。
    杉がご神木になってくる。
    不変の常しえの森としてのストーンサークル。
    雪の冬に応答するための、
    火の赤子、火の器としての縄文土器、土偶








        2013-04-13 月の皺皺が、瞼のひかりだった

    月の皺皺が、瞼のひかりだった、
    羽津かしい、宇宙と蛹、獨り舞う

    初かしい光跡の宇宙にしづか、
    雪の足裏に添って、
    裸足をかさねる、
    ほのおみず酔って、
    宇宙に即応する、月の鼓膜よ

        2013-03-14 地方を変えた<アート力>北川フラム講演会「座」高円寺

     会津・漆の芸術祭のシンポジウムで何度か話を聞いたことがあったけれど、
    寡黙なフラムさんは多くを語らないので、一人の講演会で、
    これだけ濃密なフラムさんの話を聞いたのは今回が初めてだった。
    それも東京の高円寺で、妻有アートトリエンナーレや
    瀬戸内国際芸術祭についての話をするので、
    地方の芸術祭から都市を見つめ返すという視点もおもしろかった。

     まず、アートありきではなく、現在の状況における問題の核心について語り、
    それに応答する方法として美術という在り方がもっとも可能性があり
    かつおもしろいという語り方であるので、その寡黙さと同じく、核心のみを見ている。

     自分の住んでいる町が、災害に見舞われたとき、助け合い、
    生き残ることができるかという、生存の根本から考えること。
    仕事場のある代官山について、
    都市が都市となる過程で同潤会アパートの果たした共同体を支える装置としての在り方、
    国や他に期待するのではなく、
    自分たちが生きている場所から自分たちでなんとかしていくしかないということ。

     そして瀬戸内や妻有の実例を紹介し、そこに多くの人が訪れることから、
    都市が身体性やその生の根拠を喪失して、
    それを外部の自然の中に求めざるを得ない状況になっていることから、
    都市におけるアートフェスティバルが、ただの経済の活性化ではなく、
    都市においてムラを再生させていくというイメージは、秀逸だった。

     そのような繋がりの再生による都市の再生は、フラムさんにとってもまだ、
    未知なる可能性であり、そこに生まれるアートというのも、新たな可能性を持っているのだろう。
    この越後という厳しい大地から見つめられる視座によって見出されるもの。

     今日の話を聞いて思ったのは、地方が疲弊し、再生を必要とするのと同じように、
    都市もまたまったく別の部分で疲弊し、再生を必要としているのかもしれない。
    それらは実は表裏の関係にあり、互いに補完しあうことで、
    新たな生き方が見出されるのかもしれない。
    それを繋いでいくものとしてアートや美術がある。
    その都市の再生についてのイメージを得ることができた。

     ただフラムさんが紹介した作品のうち本当に力を持っている作品が
    何点あるかということを考えると、アートの力というものをフラムさんの方が
    広い意味で考えていて、だからこそ原始感覚美術祭というものをやる意味もあるのだと思う。

    NPO法人TFF →http://www.sugi-chiiki.com/npo-tff/content_disp_ex.php?c=4d943fe30ae4a&p=5126c78f7ccfe







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