Nobuyuki Sugihara

砂場の山の隧道の指

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        2012-04-02 むすんで、ひらいて~新・芸術体験プログラム~vol.2「原始感覚と出会う」

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    撮影 手塚愛子

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        2010-02-19 「赤子と母のカタ、クリームパン」アートコラボラボ11(最終回)

    最後のアートコラボラボのワークショップにのぞむうえで
    浮かんでいたのは、

    生まれたての赤子は
    その動きは
    母のカタ(形)というものと
    常にひとつであるということ

    羊水の血潮の海の

    その精霊のような
    光のような
    空間とかさなった
    動き


    しかし、
    そんなことはわすれて

    なにかをわすれてしまうくらい
    たいせつに
    なにかと向きあうというのは
    とてもいい時間ですね






    東京では
    びっくりするぐらいの雪
    東京が寒い地方都市の風景のようになっていて

    真壁町に向かう

    駅に着くころには
    雪もやんで

    施設に着くと、
    出町さんと吉田さんが
    午前中からワークショップを開始している

    そこにちゃっかり広瀬くんもいて
    紙の切れ端に色を塗っている
    雪の風景に心が躍ったんだね

    しばらく一緒にビデオを撮りながら過ごし

    昼になったので
    出町さんと吉田さんとラーメンを食べに行く

    帰ってきてから
    ワークショップ。

    出町さんがもう一つの施設に用事で抜けるというので
    ダルマ制作を頼まれる

    普段は仕事をやっていて
    ワークショップには参加していない人たちが
    一人一個のダルマ制作の為に参加する
    (ダルマは展示会場で販売されるようなので、
    気に入ったものがあったら買ってあげてください)

    いつものメンバーが最後のワークショップにいないのは
    寂しいけど、いつもと違うメンバーの描くダルマもおもしろい

    どんなものができるかじっと見ている
    出町さんにもっと言ってあげてよー、と言われるが
    どんなものが生まれてくるのか
    楽しみで、静かに待つ

    手が止まって
    困っているようでも、
    様子を見る
    考えている時間も大切なのだ

    それでも
    困っているようだと
    自分の好きなようにやっていいいんだよと
    ささやくように言ってあげる

    そして
    できた
    と言ったものを見て

    素直に感じたことを言う
    かわいい
    とか
    おもしろい
    きれいだね

    ワークショップはどれだけその人の
    うちゅうがひらいていくか、
    なるべく邪魔せずに
    眺めていること

    ほんとに集中しているときは
    何も言われなくていいのだ

    声をかけると
    教えているように見えるけど

    それよりどうやって集中できる空間を
    つくっていけるかが大切だと思う

    だから自分も一緒になってつくることで
    空間を一緒につくっていく

    そして集中できないでいる人には
    声をかけたりする

    出町さんの声をかけて、肩に手をおいて
    どんどんみんなのテンションをあげていくやりかたもすばらしい
    そしてもちろん出町さんも静かにじっと見ている

    でもきっと
    それはやりかたが違うだけで
    同じことをしているのだと思う

    と言いつつ、
    広瀬くんに対するワークショップは
    出町さんのほうが、
    うまくいくところがあるので
    見習っているのだが


    前回のワークショップで
    つくっていた野焼き粘土を見て
    「キレイ」
    「どうやってつくるの」
    「どうぶつの ねこみたい」
    と言っていた
    ふーちゃんと
    来週やろうと約束していたので

    ワークショップのメンバーには入っていなかったけど
    ダルマが一段落したところで
    呼んでもらって

    粘土にね、
    指で水をつけて触ると
    キモチイイでしょ
    キモチイイようにかたちをつくっていけばいいんだよ
    と言うと

    ずっと一本の指に水をつけて触りつづけて伸ばしていく
    その一心にひとつのことをやりつづける姿に

    できたと言って見せてくれたおもしろいかたち

    「もっと粘土ある?」
    と言うので

    今度は二本の指に水をつけて
    触ってつくってみて
    と言って



    ある程度
    静かな、うつくしいダルマたちができあがったので
    今度は広瀬くんに会いに行く


    今日で広瀬くんの部屋を訪れて
    こんな風に広瀬くんと向きあうのも最後

    万感の思いで
    部屋にはいって
    うたいかける

    紙粘土をつくりながら
    ビデオを撮る

    そしてビデオテープが切れる
    ちょうどその瞬間
    とてもうれしいことがおこった

    このタイミング
    ちょうどで
    ビデオが切れる

    この瞬間、長かったワークショップが
    はっきりと、
    価値あるものだったと確信する


    あとは展示

    これも広瀬くんと一緒に
    どれだけひらかれたこころで
    たのしい未知の時間に入っていけるか


    それでも
    この映像は
    今まで時間軸にそって編集されてきたが、
    この一瞬がラストシーンになる

    その後撮ったものは時間軸がずれるのではないだろうか

    11回のワークショップで6時間分ぐらいのテープを編集していて
    今でも1時間くらいの映像になっているので
    どこがラストシーンか見るのはたいへんかもしれないけれど
    ラストシーンはぜひ展示会場で見てください


    (ループで流れるので、最初のシーンは
    自分が被っている毛布を広瀬くんが撮影する
    広瀬くんの初めてのビデオの眼からはじまります)

    そして
    そのあと
    うれしくなって
    クリームパンが食べたいという広瀬くんの願いをかなえるべく
    ヤマザキのクリームパンを真壁町中探し回って、(コンビニは売り切れてた)
    買ってきてあげると

    そのパンのことで
    スタッフの人におこられてしまったらしく
    広瀬くんは不機嫌になってしまった

    それでも
    夕食の時間になら特例で食べてもいいということだったので
    機嫌を直して

    展示前最後に
    もう一回野焼きしに来るからね、
    展示も手伝ってね
    またね
    と言って


    今日のワークショップ休みだった
    同室の谷澤さんもいっしょに居て
    「また絵を描きたい
    たのしいから」
    と言うので、

    「次はまだ決まってないけど、
    また一緒に絵を描きたいから
    うん。
    また一緒に描こう」
    と言って







    帰りの電車

    広瀬くんの今日撮影した映像とたくさんの写真を見て
    とてもうれしくなってしまった

    そして広瀬くんにプレゼントしたいなと
    いろいろなアイデアが浮かびながら

    赤子と母のカタ
    紙粘土に触れる指が
    たゆたって








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        2010-02-13 「歌とダルマ」アートコラボラボ10

    木曜日が祝日ということで、
    水曜日にワークショップが移動

    長野に籠もって映像編集をして
    戻ってすぐに、
    ワークショップ

    今日は出町さんがダルマつくりのワークショップ
    久しぶりの施設のワークショップに心踊るのか

    勢いのあるワークショップに皆
    楽しそうに絵を描き、ダルマを描く

    広瀬君はやはり部屋なので
    部屋に行くと

    水曜日だからなのか、
    いまだかつてないくらい布団の中で熟睡していた

    声をかけても反応がないので、
    持ってきたアイヌの唄のCDをかけて
    粘土をつくる

    久しぶりに長野に帰った際
    養護学校でずっと働いていた母と話し、
    障害をもっている人で、
    音とか音楽がきらいな人はまずいないという話を聞き
    音楽をかけてみようと持ってきたのだ

    でも声で歌いかけていたわけだから、
    音楽をCDでかけるより
    深いコミュニケーションがとれたと思うから
    それはよかったのだ

    音楽をかけても
    熟睡している広瀬君はしばらくまったく目を覚まさない

    やっと起きて、もってきた袋などに興味を示したあと
    トイレに行ったまま戻ってこない

    その間、どうにもアイヌの唄でいまいちな唄がかかっていたので
    早送りして
    一番好きな、ふくろうの鳴くような音の
    子守唄をかけると

    広瀬君がやってきて
    手招きして

    多目的室にむかう

    やはり、広瀬君の冬眠のようなやる気を出させるには
    音楽が良いようだ
    真新しい、呼び出すような音楽

    母が言うには好きな音楽ができれば、その音楽が聞きたいから
    CDを買うためにお金が必要になって
    施設の作業をするだろうという

    衣食住の足りてしまって、ほしいものもなければ
    単純労働の仕事などするわけない
    楽しいことだけやるというのは
    確かにあたりまえなことだ

    広瀬君は久しぶりに皆と一緒にワークショップだが
    ダルマに色付けはやりたくないらしい

    出町さんがもってきた紙のお面に
    向かい、シルエットをペンでなぞる

    出町さんとパートナーを組んだ
    飯島君が羨ましいらしく
    ちょっかいを出している

    そのうち映像を撮ったり、
    出町さんのカメラで写真をとったりしていた。

    広瀬君の写真は良い

    ものの表情というか、おもしろさを
    ものの意味に一切とらわれず
    そのまま捕えているような写真だ

    これは一つ広瀬君の可能性だと思う
    ビデオについているカメラ機能で撮った写真も
    映像の中に編集されて陶芸美術館で上映する予定

    そのうち、一番最初のワークショップから描きはじめた絵を
    女性のスタッフに促されて、
    友達のカズヒロくんにも促されて
    描きはじめる

    それを描きおえ、
    またごそごそ出町さんの持ってきた画材を物色していたが、
    そのまま帰っていった

    余り手伝い過ぎず、
    やりたいようにやらせて

    やっと、広瀬君の描いた絵は一枚完成したような気がする
    広瀬君にそっくりの

    いたずらそうな表情の動物と
    心が止まったような表情の動物

    その後ろに小さな同じ動物の水色のシルエット

    これは正に広瀬君のこころの在り方を表現している

    いたずら好きの好奇心のかたまりの自分
    なにもする気が起きない心の凍った自分

    それと水色のよくわからないもう一人の自分

    この三者が、広瀬君のなかで
    コントロールできない形で、
    顔を出す

    水色の小さな広瀬君はなんなんだろう

    まだ会った事のない広瀬君なのか、
    もう会っている広瀬君なのか

    この絵もインスタレーションに組み込んで
    展示する予定だけど、どうしたものか、


    その後、ダルマのワークショップが終わり、

    一人で乾燥時間を考えると今日で最後の
    野焼き粘土つくりを続けていると、

    広瀬君が一人でやってきて
    笑いかける
    そして部屋をぐるぐる回っている

    粘土に興味を持っていそうな気配もあるが
    結局やらず、

    絵できたね、と言うと
    うれしそうに笑った

    そのうちに帰っていってしまったが、
    なにかやりたい気持ち、やり残した気持ちがあるのだろうけど
    自分でもどうしたらいいかわからない

    かといって、勧られると
    帰ってしまう

    そのところ出町さんはうまい
    肩に手をあてて、
    広瀬君の背中をそっと押してあげる

    この触れるということはきっと
    自分の子どもとのふれあいから生まれてきたのでは
    ないかと思うけど、

    これがなかなか、まだできない

    次で最後のワークショップ。
    できるかぎり、
    裸のまま
    広瀬くんと向き合いたい






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        2010-02-07 「野焼き参り、はきだめから赤子とすみつかれ」アートコラボラボ9

    朝4時半起床
    真壁へむかう

    列車のなかで
    朝が明けていく

    薄雪のつもった
    景色のなか
    駅から自転車で

    朝靄に
    筑波山が
    うつくしい
    エロスに濡れた
    姿を浮かべる

    8時半
    授産施設に着き
    野焼きの準備

    施設のグループホームで働く方の家から
    野焼きに使う
    廃棄する杉の屋根材を
    もらいに行く
    すると
    わざわざ
    焚きつけ用の
    枝葉を軽トラ一杯にもらってきてくれたので
    そのまま車で運んでもらう

    ブロック塀で囲われた
    施設のごみ焼き場の中に入って
    野焼きを始める
    まず紙や段ボールと板材、枝葉に火をつける
    すると乾いた枝葉が燃え上がり
    すぐに火がついた

    薄雪が残っていたので
    しばらく火を焚いて
    湿気を飛ばしてから
    コンクリブロックを置いて
    ごみ焼き場の端に小さな炉を作り
    ブロックの上に乾いた粘土を置いて
    両面を炙ってから、火の中にくべる

    投入したテラコッタ粘土の一つが
    すぐに破裂してしまった
    野焼き用粘土でないので
    炙りがたらず
    急激に温度が上がりすぎたのだろう

    その他順調に焼き進める
    自分のつくった粘土を火の中に投入して
    だいたい感じがつかめたので
    広瀬君のつくった粘土を炙り始める

    その隙に、広瀬君の部屋に行って
    野焼きしてるから気が向いたら
    おいでと声をかける

    午前中だからか、
    めずらしく、毛布を被らず
    部屋で座っていた

    スタッフの人に朝尋ねたところ
    広瀬君に野焼きやるか声をかけてみたら
    うんと頷いていたと言っていたので
    興味を持ったのかもしれない

    しばらくごみ焼き場のブロックの囲いの中に入って
    火を焚いていると
    広瀬君がやってくる

    ごみ捨て場の中に入って
    熱い、熱い言いながら
    木をくべている姿がおもしろいらしく
    笑いながら
    廃材をくべるのを手伝ってくれる

    廃材は長いので、半分に折って入れてと言うが、
    最初のうちは半分にしていたが、
    途中から、折らずに
    投入してくるので、
    「コラ広瀬君、折らなきゃダーメダロ」
    というが、笑いながらどんどん投入してくる

    ごみ焼き場の中覗いてみる?
    と尋ねるが、いいと言う
    こわい?と聞くと
    うんと頷く

    そのうち、焚火に粘土が入るスペースがなくなってきたので
    最初にいれた粘土を取り出してみる
    するといい色に焼きあがっている
    その色の艶やかさというか
    赤裸の色が
    産まれたての赤子のように
    なまなましい色で
    思わず、広瀬君
    すごいきれいな色だよ見てごらん
    と言うと、広瀬君はそーっと覗いて見ていた

    取り出したての粘土は
    周りの木の葉が引火するほど熱い
    その鮮やかな色も
    熱が冷めるにしたがって薄れて
    落ち着いた色になっていく

    その後、他の乾いた粘土を取りに二階に行くと広瀬君もついてきて
    粘土やる?と聞くと頷くので、用意してから
    野焼きをつづけに戻ると、
    広瀬君も着いてきた
    粘土を下に取って来て置いておくが、

    やっぱり、
    木をくべるほうが楽しいらしく
    あらかた廃材をごみ捨て場の中に投入し終わると

    今度は
    焚きつけ用の枝葉をでっかいまま
    突っ込んでくる
    これはでかすぎだって
    火事になるって
    と言って
    千切って調節して投入する

    焼き終わった粘土をとり出しては
    新しく火にくべる
    その作業中はやることがないので
    いつのまにか広瀬君はいなくなっていた

    そして12時頃までに
    予定していた野焼きが全部おわり
    いくつかは破裂してしまったが、
    うまく焼けた

    あとは
    ゆっくりと冷めるのを待って完成

    1時のワークショップまでに
    廃材を頂いた家にお邪魔して、
    頼まれていた
    御先祖の遺影を描く仕事を
    渡しに行って
    昼ごはんを頂く

    その時
    すみつかれ
    という名物料理をいただく
    大根をすりおろしたものに
    油揚げと豆と酒粕をいれたもので

    初午の日に赤飯とともに食べるらしく
    赤飯も一緒に頂いたのだが、

    とてもおいしかった
    すみつかれは
    この地の
    この家にとても似合っている味というか
    この場所の芯を味わっているような味で

    毎度のことだが
    ぜんぶの田舎料理がとっても美味しく
    力をもらっている
    育てている菜の花に似た野菜の炒め物に
    松前漬もおいしい

    焚きつけの木と言い
    ありがたいことだ

    描いた御先祖の絵を
    とっても喜んでくれて
    おじいさんとおばあさんが
    二人して別の親戚に電話して
    よく出来たから見においでと言っている

    こうやって真壁の人に助けられて
    喜んでもらえるというのは
    とてもうれしい出会いだ
    お礼を言ってワークショップに向かう

    今日はワークショップ参加者は少ない
    机を囲んでみんなで絵を描き、粘土をつくる
    担当のスタッフの方が用事で席をはずしていたので
    なかなか広瀬君のところに行けず、

    3時近くになってようやく
    広瀬君の部屋を訪ねる
    広瀬君は毛布を被らず
    座って部屋にいた

    さすがに朝からの野焼きに疲れて
    どうにも声を出す気にならず、
    しゃべりながら普通に粘土をつくっていく

    すると広瀬君はにやけながら布団を敷いて
    横になってしまった

    今日は色々粘土に模様をつける道具を持ってきたので
    実践してみるが、広瀬君は動かない

    今日は疲れた、もう声は出せないよ
    と思いながら、作っていくと
    いつのまにか自然に声が出ていて

    疲れ切った体からは
    そのままよい声がでてきたらしく

    広瀬君は起き上がって
    手招きして
    交流ホームの多目的室に向かう
    そこでくるくるまわってから
    ごそごそと絵具を探すが見つからない

    絵具は部屋に置いてあるのだ

    これ使ってもいいよと
    色鉛筆など渡すが
    そのうちに
    帰っていってしまう

    この時、手伝うべきではなかったのだ
    普通に楽しく声をだして粘土作っていればよかったのだ
    この手伝う立場に変わってしまったことによって

    呼び出された場が変わってしまったのだ
    そのまま自分でやらせればよかったのだ
    その結果なにかが生まれたか、生まれなかったかは
    わからないが、それでよいと思った

    その後も部屋に戻って
    声を出しながら粘土を作るが
    広瀬君は布団に入ったままで
    少しだけ持ってきた道具で粘土に
    模様をつけただけだった

    今日の体験を経て思ったのは

    広瀬君はいたずら好きで
    やりたくないことは
    やらないだけだと思っていた

    作業にも出ず、部屋に閉じこもりがちになっているのは
    このコラボワークに原因があると思っていたが、

    もしかしたら、広瀬君は
    興味をもったことしかやらないのではなく

    コラボワークでつくってほしいという
    僕や園の人たちの期待を感じていて
    それに応えたいという気持ちはあっても

    ほんとうにやりたいことしかできないから、
    体がうごかないから、
    それがプレッシャーになっているのかもしれない

    そういう人なのかもしれないと思った

    もしそうだとしたら
    広瀬君、もう十分できているからいいよ
    映像にしろ、粘土にしろ、絵にしろ
    おもしろいものができているよ
    という気持ちと、

    広瀬君がおもしろがって作れる場所を
    もっと見つけられたらいいなと
    思った

    野焼きのおわった粘土たちは
    とてもうつくしい色で
    まさに
    はきだめから産まれた赤子のようで








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        2010-01-29 「握手」アートコラボラボ8

    湘南新宿ラインが遅れて、
    電車に乗り間違えたりして
    ぎりぎりの時間に施設に着く

    ペンキ塗換えの足場も完全になくなった

    玄関の外にみんな出ていて
    なんだか元気だ

    施設の人も、
    新聞に折元さんのワークショップの記事が載ったんですよ
    と記事を見せてくれる

    なんだか、みんなウキウキしている
    折元さんのビックシューズのワークショップを
    30人がやったということで、
    みんなテンションが高い
    さすがというべきか

    このウキウキ感に乗って
    今日は出町さんが休みだというので

    ワークショップ参加のみなさんと
    一緒に机に座って粘土つくり

    絵を描く人、
    粘土を作る人

    とてもいい気分でつくる

    1時間ほどしてから

    広瀬君は来ていないので
    広瀬君の部屋へ

    今回は初心にもどって
    みなさんとワークショップしてから
    何も持たずに広瀬君と会う

    声と粘土のコミュニケーション・パフォーマンス
    何ももたないことの自由さ

    自然と言葉でも話しかける

    映像を撮りあい
    外を指差す広瀬君

    窓を開けて外の映像を撮る
    これが広瀬君が毎日おそらく見ている風景ですよ

    隣の部屋に行ってそれを覗く広瀬君

    粘土がなくなったので
    みんなのところに戻って
    見てまわる。みんなおもしろい絵を描いて
    紙粘土を作っている

    広瀬君は
    少しだけ絵も描いたけど
    土の粘土も主体的に作りたいわけではない

    なんにしろやる気を呼び出すまでには至らず
    今日もみんなのところには行かなかった

    そろそろ
    やはり真新しさ
    心の冴えた好奇心を刺激する処へ
    行かないと
    ならないのだろうなと
    想いながら、

    作業を終えた他の利用者さんが
    部屋に帰ってきた

    そして広瀬君ととても仲のよい
    カズヒロくんが来た時

    広瀬君はカズヒロくんの手をとって
    僕の手と握手するように促してくれた

    これはとてもうれしい
    できごとだった

    カズヒロくんと握手して
    今日のワークショップは
    おしまい








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